大問 |
小問 |
質問 |
答弁 |
1.姫路市教育の現状について |
(1)新教育長に問う
ア.エリート教育と就学援助について |
まず、姫路市教育の現状について、新しく就任された新教育長に、エリート教育と就学援助について伺います。
今年度愛知県に開学した「海陽学園」をご存知でしょうか。トヨタ自動車やJR東海などが出資してつくられた全寮制の中高一貫教育校であります。明確にエリート教育をすると謳い、授業料と施設料だけで毎年120万円、寮費も120万円、入学金等を含めると6年間でざっと1500万円かかります。まだ実績のない初年度120人の募集に4.4倍の応募があったようです。1500万円をかけたエリート教育を受けさせたいという家庭がある一方で、「就学援助」と呼ばれる制度の適用を受けている児童・生徒が増加しています。経済的理由で就学が困難と認められる児童・生徒の保護者に対して、学用品費,修学旅行費,学校給食費等の費用を援助する制度であります。
東京都の足立区では平成16年度にこの就学援助を受けている中学生の比率が”43.6%“にもなっています。他方、同じ東京でも千代田区では援助率は6.7%であり、逆に私立中学に入る生徒の比率が38.8%と高くなっています。東京都教育委員会の統一テストでは、成績と就学援助比率に連動が見られるということです。
姫路市の実態はどうなっているのでしょうか?小学校・中学校それぞれについて、就学援助を受けている比率・人数・支給合計額を10年前(平成8年)と直近(平成17年)について比較してお答えください。またあわせてその受給者総数の変化がどのくらいあったのか、増加した総額も合わせてお答え下さい。
参考資料
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[松本教育長]
私からは、姫路市教育の現状についてお答え申し上げます。
まず1点目のア.エリート教育と就学援助についてでございますが、民営の中高一貫校がもてはやされる半面、就学困難な就学援助制度を利用する児童及び生徒は増加を致してございます。平成17年度、本市で就学援助費を受給した小学校児童数は4,154人であり、全児童数の13.3%。同じく中学校生徒は1,842人であり、全生徒の13.1%に当たります。支給総額は3億4330万1000円となっております。十年前の平成8年度におきましては、受給小学校児童数は1,543人4.9%。同じく中学校制度は835人5.1%。支給総額は1億2275万円となっておりました。小中学校の合計人数で3,618人支給総額で約2億2055万1千円となっております。真に援助が必要な生徒に対しては、今後とも本市の責任において適切に実施をしてまいりたいと考えてございます。
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子どもの将来を買えますか(毎日新聞)
要・準要保護児童生徒数と援助費の推移(足立区)
姫路市就学援助事務監査結果
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イ.学校のガラスが割られる事件などが頻発していることについて
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次に、学校のガラスが割られる事件などが頻発していることについて 伺います。
今年はホームレスの人に火炎瓶を投げ、中学生が殺人で逮捕された事件が記憶に新しいのですが、他にも今年はガラスが割られ、新聞報道された学校が既に10校もあります。今年に入って頻発しているようであります。中には中学生が逮捕されたものもあります。東京などでは、荒れる公立中学を避ける意味で、私立中学に行く生徒が増えたといいます。こうした学校の規律、非行等の課題にいかなる対応をとっているのかお聞かせください。
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次にイ.学校のガラスが割れる事件などが頻発していることについてでございますが、学校のガラスが割れる事件が起こるなどの生徒指導上の諸問題につきましては、子供たちの心の荒廃を懸念しているところですが、本市では「かしのきプラン」を策定し、心の通う生徒指導の充実に取り組んでいるところでございます。学校におきましては子供たちと教職員の信頼関係をより深めながらカウンセリングマインドをいかした子供理解に基づき、規範意識、および善悪の判断力の高揚に取り組んでおります。重点項目といたしましては、スクールカウンセラーや相談機関との連携のもと、児童生徒の内面理解をはかること、PTAや関係機関を含めた生徒指導体制を構築すること、問題行動に対しては毅然とした態度で臨むと共に事後の心のケアに十分配慮するようしております。
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2.格差社会について |
ウ.教員の心の病での休職等について
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また、文部科学省の発表によりますと平成16年度に精神性疾患で病気休職した教員が全国で3559人となり、12年連続で増加したということです。生徒の個性は昔に比べて強く、毎日の授業、部活動、日々起こる様々な問題、それに加えて非行対応や生徒指導、近年は保護者の要求も厳しさを増しているといいます。市立学校で精神性疾患で病気休職している教員はどのくらいいるのでしょうか。また、それに対するケアや後任の教員の確保等の状況はどうなっているのでしょうか教えてください。また、残念ながらそもそも教員としての適性がなく指導力不足と認定されたり、再研修の必要な教員もいると思います。その人数等の状況もあわせて教えて下さい。また指導力不足の人は分限免職という方法もあると聞きますがそうした事例はないかもお伺いします。
参考資料 |
次にウ.の教員の心の病の休職等についてでございますが、現状につきましては平成18年5月1日現在、小中学校において心の病で休んでいる教員は8名おります。心のケアにつきましては、管理職には管理職メンタルヘルス実践研修を受講させ、休職者を含め、全教職員のメンタルヘルスケアに努めるよう指導をいたしております。ま学校長には、月に一度、心の病での療養にかかる報告書の提出を義務付け、療養状況を把握させております。
そのほか心の病での休職者が復帰を目指している場合には職場復帰トレーニング、復帰直前の場合にはプレ出勤という制度があり、スムーズに職場復帰ができるよう整備がされております。
次に代替教員についてでございますが、休職者等が生じた場合は速やかに代替教員を配置し、学校運営に支障がない様に配慮しております。また指導力不足と認定をされている教員はございません。
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エ.教育委員会による現場視察について |
次に教育委員会による現場視察についてお伺いします。
姫路市教育委員の方々は市内各校だけでなく、県外の学校を含め毎年現場を視察されています。昨年は、市内の飾磨中部中のチームティーチング、飾磨小の食育、県外では福山市の中高一貫教育など、私も視察したいような先進的な事例が多く、非常に有意義だったと思います。ただし、先進的事例だけでなく、残念ながら荒れている学校の授業風景、生徒指導の実情、少年愛護センター等で補導される生徒の実態も見て頂きたいと思うのです。その上で必要な施策を立案し、そのための予算を市長に要求するなどの措置を講じていただきたいと考えますがご所見をお聞かせください。
参考資料 |
次にエ.教育委員会による現場視察についてございますが、教育委員会として学校教育を推進していくためには、教育委員が学校訪問をして、学校の状況を把握することが必要と考えてございます。そのため、教育委員には毎年特色のある教育などを実践している市内の小中学校を訪問したり、他都市の先進事例を視察していただいております。教育委員の学校訪問の趣旨から考えまして、荒れた学校などの厳しい学校現場の状況を見に行くことにつきましても、今後検討してまいりたいと考えてございます。
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(2)ゆとり教育の評価と今後の対応
ア.ゆとり教育(新学習指導要領)とその見直しの動きをどうとらえているか
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次に、ゆとり教育の評価と今後の対応について伺います。
文部科学省では、平成14年に施行したばかりの新学習指導要領を見直すということで、現在、その再評価が中教審で行われています。早ければ今年度末までに改訂を行うことになっています。
今回、見直しの機運が高まったのは、2003年に実施されたOECDのPISAと呼ばれる国際的な学習到達度調査で日本の学力順位が落ちたということがあります。結果を見てみますと、実は最も学力の高いレベル5の層はそんなに落ちていないのですが、レベル2、レベル1、1未満の生徒の合計が前回2000年の調査のときに25%だったのが今回は40%にもなっています。これが平均点を押し下げたということです。当時の中山文部科学大臣は、戦後の大臣としては初めて日本の学力低下を認めたということでも話題になりました。
そこで、まず、ゆとり教育で期待された部分は本当に有効に機能しているのでしょうか。ゆとりで空いた時間に塾に行かせ、従来型の学力向上に時間を使う子どもと、逆に家庭のフォローもなく、時間をもてあます子ども。ゆとり教育を導入したことで何かを新たに身につけなければ、自由化は格差を生むだけになります。平成5 年の文部省の調査では、小学校6年生の塾へ通っている比率は41.7%、中学校3年生で、67.1%。昨年の文部科学省のスクールミーティングの質疑応答で「ゆとり教育のせいで僕たちの世代だけ学習量が少ない」と訴える中3男子に、当時の中山文部科学大臣は「塾に行かず学校だけで勉強した人には申し訳ない」と謝罪したといいます。私も塾へ行ったことはありませんし、それを誇りにさえ思ってきましたが、塾へ行かなければ、学習量がたりないという義務教育とは何でしょうか。この話を聞いて大変腹が立ちました。
最近、格差の拡大だけでなく、その再生産の話も聞きますが、この悪循環を断ち切るのは、直接的な税や社会保障ではなく、教育だと思っています。義務教育のレベルを低下させたり、自由化という負の部分をもたらすことは見直す必要があると考えます。姫路市としてはこのゆとり教育(新学習指導要領)とその見直しの動きをどうとらえているのか?ご所見をお伺いします。
参考資料 |
次に2点目のア.ゆとり教育とその見直しの動きをどうとらえているのかについてでございますが、議員ご指摘の通り、ゆとり教育を学力低下の一因とする意見があることは十分承知をいたしてございます。しかし、ゆとり教育がただちに学力低下を招いてるとは捉えず、ゆとり教育の中で基礎・基本の確実な定着をはかり、自ら学び、自ら考える力など生きる力を育む教育を着実に推進してまいりたいと考えてございます。また見直しにつきましては今後も中央教育審議会の審議など国の動向についてなど注意深く見守ってまいりたいと考えております。
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通塾率 |
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イ.市立朝日中学校の「放課後寺子屋」の取り組みとは
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また、市立朝日中学校で「放課後寺子屋」という取り組みを実施しているという新聞報道がありました。同校は、運動部の部活動も盛んで部活動担当の先生と別の先生で役割分担をしながら取り組んでおられると聞いております。この「放課後寺子屋」の内容や始まった経緯、子どもたちの反応等について教えていただきたいと思います。
参考資料
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次にイ.市立朝日中学校の「放課後寺子屋」の取り組みについてでございますが、その経緯といたしまして問題行動を引き起こす生徒の背景には基礎学力の不足と進路への不安が、常に付きまとい、その結果、また問題行動を引き起こすという悪循環がございました。それを打破するために朝日中ではあらゆる生徒の自主的な参加を期し、従来より「頑張り学習」と名付け、補充学習を行ってまいりました。その内容でございますが、本年度放課後の30分間教室を開放し、各学年の担当教諭が順番に指導にあたってございます。また時間があれば他の教諭も参加をして、生徒の基礎学力向上をサポートするだけでなく、生徒との心の触れ合いも大切にしているところでございます。四月からの参加生徒数はのべ200名を超え、「朝日中を日本一の母校にしよう」をスローガンに取り組んできた生徒指導のアプローチの成果が着実に実りつつある一例ではないかと考えてございます。
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ウ.市立網干中学校のNIE(教育に新聞を)について
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また、総合学習には様々な取り組みがあると思いますが、網干中学校で実施されている「NIE(教育に新聞を)」についてもどんな取り組みなのか。県内では8校が昨年からの実践継続校ということでありますが、活用方法やその効果等についても教えてください。
参考資料 |
次にウ.市立網干中学校のNIEについてでございますが、平成17年度より2年間の日本新聞教育文化財団の指定で実践を行ってございます。社会科の公民授業で新聞を読んで興味や関心を持った記事の感想やその理由を述べたり、夏期休業中の課題に平和新聞の作成を取り入れたりするなど新聞の積極的活用を図っております。成果といたしましては、社会事象に興味・関心を持つ生徒が増えたばかりでなく、その背景にも目を向けるようになり、各紙の記事を読み比べることで、情報リテラシーの能力が高まっております。さらに様々な社会的事件を話題にして家族の対話が増えたということも聞いております。
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エ.全国学力テストへの参加の有無と成績公表について |
次に、全国学力テストへの参加の有無と成績公表について伺います。
文部科学省は来年度から小6と中3の全員で、国語と算数(数学)の二教科の全国学力テストを行うそうです。
姫路市もこのテストに参加し、市の結果データも公表するとのことですが、学校別のデータはどうなるのでしょうか。昨年市議会で視察した栃木県宇都宮市ではHPでも学校ごとの学習内容定着度調査の結果を公表しておられました。姫路市では学校ごとのデータも公表するのか。お聞かせください。
参考資料 |
次にエ.全国学校テストへの参加の有無と成績の公表についてでございますが、来年度4月24日火曜日に文部科学省が実施の予定をいたしております全国的な学力調査に本市といたしましても参加をする予定でございます。その結果につきまして姫路市の実態が分かる形で返却される予定ですが、学校の序列化や過度な競争につながらないよう十分配慮し子供たちの学力を的確に把握しながら学習意欲の向上や指導法の工夫改善になるよう活用してまいりたいと考えております。
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不参加を表明している石田芳弘愛知県犬山市長による「教育改革」分科会資料・竹内メモ050729「教育の規制緩和 |
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(3)フィンランドの教育に学ぶべきこと
ア.資源の少ないところが日本と共通
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次にフィンランドの教育に学ぶべきことについて紹介したいと思います。
まずなぜフィンランドかというと、先ほど紹介したOECDのPISA調査で、最も高い評価を得た国が北欧のフィンランドであります。フィンランドと日本の共通点は輸出できる天然資源が少ないことですが、インタビューに答えた前教育大臣は、フィンランドの資源として「頭」をあげたといいます。日本でも、読み書きそろばんといわれ、江戸時代の藩校や寺子屋の時代から現在に至るまで高い識字率や計算力を保ってきました。資源がなくても現在も世界で有数の経済規模を保っているのはすべて先人から受け継いできた教育の賜物であります。
実はフィンランドで1972年からスタートした義務教育の小中6・3制は日本の6・3制をモデルにして取り入れたものです。今度は逆にフィンランドに学び、そして日本の実情に合ういい取り組みについて取り入れて行けばいいと考えます。そこでいくつか取り上げます。
(フィンランドは2005年から小中一貫制へ移行)
参考資料
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(紹介のため答弁不要) |
教育大国フィンランドと日本の課題(重要) |
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イ.先生に対する尊敬の念(中核市への人事権移譲の準備と考え方)
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まず、中核市への人事権移譲の準備と考え方、先生に対する尊敬の念についてであります。
地方分権の中で、教育も分権されますが、受ける側の自治体の責任も重くなります。中教審の答申において、中核市に教員の人事権を移譲することが提案されており、先月も中核市市長会で、国に対して人事権移譲の要望をしたと伺っておりますが、今から採用制度の研究等を含めた受け入れのための様々な準備をする必要があります。
特に重要なのが優秀な教員の採用準備であります。フィンランドの高校生にアンケートをとると一番なりたい職業として学校の先生があげられ、保護者からも最も尊敬される職業であるといいます。そういう尊敬される先生にこそ姫路にきていただかなければなりません。
法律で一般の公務員より給与面で高い処遇を受けることが定められ、高い人気をほこる職業ながら、教員の権威の低下がおこっています。様々な事件の報道、また権利意識の高まりでしょうか、公然と教員を批判する保護者も増えました。保護者の高学歴化も原因の一つだといわれます。日本の大学進学率は昭和40年の13%が昨年は44%。大卒という学歴の相対的な位置づけが下がるのも当たり前です。フィンランドは、大学への進学率は約3割と日本より低いのですが、教員になるには、大学院の修士課程修了が必須条件(5年)であり、簡単になれない職業ということであります。
もちろん学歴や試験点数が高いだけで採用されず、適性のない人も採用されません。日本でも試験にはなかなか受からないが、わかりやすい授業ができる臨時教員の方もいるといいます。姫路市でも資質が疑われるような問題がいくつか発覚しましたが、これからは、試験成績だけに偏らない、教員の適性を判断する仕組みをつくり、現場で尊敬される先生を採用して行かなければならないとおもいます。ご所見をお伺いします。
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次に3点目のイ.先生に対する尊敬の念についてでございますが、平成17年10月の中央教育審議会の義務教育特別部会の答申で、県費負担教職員の教職員の任免権について、中核市をはじめとする一定の自治体に移譲すること、また広域で一定水準の人材が確保されるような仕組みを新たに設けることが提言をされております。
現在、文部科学省において市区町村への教職員人事権の移譲に関する意見交換会ほ設置し、教育関係団体による意見交換が実施されどのような仕組みが適切であるのか検討が行われております。
本市といたしましては中核市教育長連絡会を通して中核市に教職員の人事権が移譲されることを強く要望しており、国や県レベルでの制度改正の動向を見守っているところでございます。
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18歳人口及び高等教育機関への入学者数・進学率等の推移(文部科学省)
義務教育における県費負担教職員の中核市への人事権移譲に関する要望(中核市市長会)
中核市に人事権を移譲した場合の各教委が人事権を有する教職員数(小・中学校/中教審)
政令指定都市における県費負担教職員の採用等の現状
教員採用等の改善に係る取組事例 |
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ウ.市教委は教育実習生の母校受け入れを
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次に教育実習についてであります。フィンランドでは、教育学部における教育実習は半年間もあるということで、適性があるかどうかはここでも判断されます。また、適性がなければ、他の学部に転部できる仕組みも整備されています。一方、日本では、「教員になる気はないが、教員免許は取得しておこう」とか、単位のためという人もいるそうであります。そんな教育実習を排除するため、姫路市教育委員会では、特に遠方でない限り、学生の所属する大学の指導教官に見学に来てもらうという制度をもっています。また、忙しい学校現場に配慮し、教育委員会で一括して受け付けています。
しかし、姫路市教委の先進事例の中で、改善を図っていただきたいこともあります。それは母校での実習を受けないというルールです。中学校における取得教科の関係で、母校に空きがなければ、別の学校に行ってもらえばいいですし、中教審の議論にあった「母校での実習は評価があまくなる」という話は公立の学校にはあたりません。卒業生が母校に来ても自分の恩師はおらず、評価とは関係がないからであります。
学校の先生になりたい人は、通った母校のどこかでいい先生に出会い、そんな先生になりたいと思って志望する人が多いはずです。その思い出の母校で実習したいという人を断る理由があるのでしょうか。今、現場や教育委員会にいる先生方の多くも自分の母校で実習してきたはずです。母校に愛着を持ち、母校を尊敬している人を受け入れる仕組みに改めていただきたいと思います。よろしくお願いします。
参考資料 |
次にウ.市教委は教育実習生の母校受け入れを、についてでございますが、教育実習の受け入れに当たっては、優秀な教員の育成の観点から、本当に教師を志す学生を受け入れ、教育実習の場を与えることが、私たちの使命であると考えてございます。しかしながら、教育実習にあっては大学との手続き事務、実習計画、実習生への指導評価等大変な作業と時間を要するところであります。そこで受け入れ校の負担軽減、学校の偏りを少なくすることを前提に教育委員会が窓口になり、実習生への十分な指導を行うためにも受け入れ人数、実習効果等を考慮すると共に市内の学校をローテーションさせながら受け入れ校を決定いたしております。
なお実習校の受入には実習生の負担を少なくする意味からも自宅からの距離等を勘案をして、決定をいたしておりますのでご理解を賜りますよう、お願いを申し上げます。
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エ.少人数学級と「遅れている子は助ける」という考え方
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次は、少人数学級と「遅れている子は助ける」という考え方であります。フィンランドの学校の1クラスは小学校が平均25人、中学校は平均18人。授業から遅れそうになった子を放課後に補習する制度や義務教育の1年延長制度があり、10年通う子もいるそうです。
PISAの「読解力」調査の成績は、6 段階に区分されていますが、フィンランドは最も低いレベルは1.1%だけ。日本は7.4%と前回調査の2.7%から急上昇しました。これが今回、日本の成績が落ちた原因です。つまり、フィンランドが高い成績を保っているのは、落ちこぼれのない教育をしているからなのです。
授業に遅れている子を助けるためには、少人数学級が必要であります。昨年の法改正によって、今年4月から、市町村が給与を負担して独自に教職員を採用することが可能になりました。姫路市は平成15年から県下で先駆けて市独自で非常勤講師を配置し、小学校1・2年生で少人数教育を実践したことがあります。今再び更なる少人数教育を実践すべきではないでしょうか。ご所見をお伺いします。 |
次に、エ.少人数学級と遅れている子は助けるについての考え方についてでございますが、平成15年度より兵庫県教育委員会に先駆けて子ども達に基本的な学習生活習慣を確実に身につけさせるために小学校1・2年生に1学級36人以上の児童が在籍している場合は、その学年に非常勤講師を配置をしてまいりました。本年度より県教育委員会が35人学級の対象学年を小学校2年生まで拡大したため、本市の小学校1・2年生に非常勤講師を配置するという事業の当初の目的は達成をされております。更なる少人数学級の拡大につきましては今後も県教育委員会に要望してまいる所存でございます。以上でございます。 |
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オ.世界一の図書館利用 |
最後にフィンランド教育の特徴は図書館です。小学校では1か月ごとに図書館に出向き、子供に好きなだけ本を借りさせるそうです。国民全体の図書館利用率も高く、国民1人当たりの年間貸し出しは21冊で、世界一。これを国民の誇りにしているそうです。日本の公立図書館の平均は4冊です。城内図書館の西の駐車場を来年度から完全に有料化するという報道もありますが、これについては後ほど質問しますが、図書館の利用を増やすことが教育を高めることにつながるとされているフィンランドでは考えられないことでしょう。 |
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2.格差社会について |
(1)生活保護率の推移について
ア.保護率の推移と1人当たりの月額保護額
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次に、格差社会について伺います。
所得の格差をあらわす不平等指数のことをジニ係数といいますが、近年この値が急上昇しています。2005年には貯蓄がないという世帯の割合が約23%にも上り、1953年の調査開始以来最悪の数字となっています。
そこでお伺いします。健康で文化的な最低限度の生活を保障する制度として「生活保護」制度があるわけですが、最近受給される方が増えていると聞きます。姫路市の生活保護率と1人あたりの月額保護額を10年前と比較する形で教えてください。
参考資料
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[延澤健康福祉局長]
私からは、2項目目の格差社会についてのうち、(1)生活保護率の推移についての3点と、2番目のニート・引きこもり支援の1点と実態の把握と支援策についてお答えをいたします。
まず生活保護率の推移についてでございますが、姫路市の保護率については平成7年度は年度平均で4.41‰、17年度では年度平均で8.81‰となっており、保護率は4.4ポイント上昇いたしております。また一人当たりの月額保護費は平成7年度153,451円、平成17年度は147,968円となっております。
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ジニ係数の推移
日本の所得格差指数、貧困率は何故高いのか(連合総研) |
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イ.被保護世帯(者)が増えている理由
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また、姫路市として被保護世帯(者)が増えている理由をどう考えているのかお聞かせください。
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次に被保護世帯が増えている主な理由でございますが、長期不況の影響による失業、収入の減少、また預貯金の消費、援助の減少や途絶により、生活困窮に陥った高齢者世帯の増加によるものであると考えております。
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ウ.生活保護行政を適正に運営するための手引の運用について |
次に、生活保護行政を適正に運営するための手引の運用について伺います。今年3月30日付で厚生労働省から出されたこの手引ですが、特に暴力団員について「本来は正当に就労できる能力を有すると認められることから、稼動能力の活用要件を満たさない」。また「暴力団活動を通じて得られる違法・不当な収入について本人が福祉事務所に対して申告することは期待できない」などとし、急迫した場合を除き、保護申請を却下するよう求めています。
また「絶縁状や破門状等」の書類や誓約書を提出した場合は、改めて保護の適否を判断するということも記載されています。現実に起っている問題であるからこそ、取り上げられたのだと思いますが、実際の現場では、暴力団員であるかどうかの判断や警察との連携など、実態はどうなっているのでしょうか。手引きの実効性等についてもお伺いします。
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次に暴力団員に対する生活保護の適用についてございますが、兵庫県下におきましては、従前より暴力団員の生活保護の適用については本年3月に厚生労働省の通知のあった生活保護行政を適正に運営するための手引きにそっての内容で運用していっている状況でございます。暴力団員と確認した場合は、原則として申請を却下しております。また絶縁状、誓約書、自立更正計画書の三つの書類の提出により暴力団から離脱したことが確認できた場合は、厳格な資産調査等により保護の要否の判定を行っております。そしてこれらの暴力団員の生活保護の適用にあたっては警察等との関係機関と連携を図るとともに福祉事務所内の組織的な対応につとめおります。今後もこの手引きの活用により、生活保護の厳正な対応に努めていきたいと考えております。 |
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(2)ニート・ひきこもり支援について
ア.実態の把握と支援策
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次に、ニート・ひきこもり支援について伺います。
まず、ニートについては、国でも定義が異なり、総数も異なっていますが、厚生労働省の平成17年の労働経済白書ではニートに該当する若年無業者の定義として、「非労働力人口で家事も通学もしていない若者(15〜34歳)」としています。こうした人は姫路市では何人いるのでしょうか。
国調(平成17年○○○○?平成12年2862人国勢調査)
また、成人したニートやフリーターの扶養控除をなくすということが政府与党の中で検討されていますが、これは親が甘やかしているということを前提にしたムチの政策であります。一方では自分の子供の将来を心配しておられる親御さんがいるのも事実です。横浜市では、外部有識者らによる研究会を発足させ、実態把握を行い、社会参画のあり方を探るといいます。姫路市では、雇用の観点では労働政策課、支援団体の窓口は市民活動推進課、ひきこもりという心の問題は保健所と各部局で対応することになっているようですが、支援策を考えるにしてもまず実態を把握することが必要ではないでしょうか。これについては現状どうなっているでしょうか。教えてください。
参考資料
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次にニート・引きこもり支援についてでございますが、保険所では心の健康相談を実施しており、ひきこもりの状態にある方からの相談も受けております。また必要に応じて、医療機関の紹介、関係団体についての情報提供、家庭訪問等を行っております。ひきこもりについての実態把握は困難でありますが、平成17年度における心の相談件数2,765件のうち引きこもりに関する相談につきましては13件ございました。以上でございます。
[本庄産業局長]
私からは、2項目の格差社会についてのうち、2点目のニート・引きこもり支援についてのア.実態の把握と支援策についてのニートについて、及び3点目のわかものジョブセンターについてお答えいたします。
まずアの実態の把握と支援策についてのうちニートについてでございますが、議員お示しのように一般的にニートは職業訓練等をしていないものとされており、平成17年度版労働経済白書では全国のニート数は平成16年度では64万人とされており、人口比率から産出いたしますと兵庫県では28,000人、姫路市ではって2,600人と推計されます。この方々の就労相談につきましては、昨年開設のわかものジョブセンターで件数的には数件でございますが、ニートと思われる方やその家族の方々の就労相談を受けており、相談の内容に応じて、国の事業で大阪府下等で開設されております若者自立塾や保険所での心の健康相談などを紹介しております。実態把握につきましては、就労意欲の確認が難しく、社会とのつながりが希薄などの理由から調査は困難で実態の把握は難しいものがあると考えておりますが、議員お示しの横浜市の取り組みについて早急に調査をしたいと考えておりますので、よろしくご理解賜りますようお願い申し致します。
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ニートやフリーターを生み出した原因は何か?と聞かれたら、杉村太蔵は迷わずこう答えます。「日本経済が不景気だったからです」(杉村太蔵衆議院議員公式ブログ)
横浜市ニート研究会(06/06/05神奈川新聞)
フリーターの増加と労働所得格差の拡大(内閣府経済社会総合研究所 太田清) |
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イ.NPOや市民団体との協働 |
また、ニートやひきこもりを支援する市内のNPOや市民団体がありますが、そうした団体の方はボランティア精神で活動しておられます。行政とそうした団体とが協働して支援を進めていけば更に効果的だと考えますが、現状と今後の対応について教えてください。
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[今村市民局長]
2項目の格差社会について、2のニート・引きこもり支援についてのうち、イのNPOや市民団体との協働についてお答えいたします。いわゆるNPOとの協働には委託、補助、企画立案、事業協力、情報交換、意見交換と様々な形態があり、本市におきましてもNPOや市民活動団体との協働を行っておりますが、、引きこもりやニート対策につきましては現在のところ、情報交換や意見交換にとどまっております。しかしながら本年度に厚生労働省において創設されました市民団体と協働でニート等の対策を行う「地域におけるにおける若者の自立支援ネットワーク整備モデル事業」におきまして姫路市内の団体と協議を行った例もございます。今後ともさまざまな分野で機会あるごとにNPO等との連携・協力を進めてまいりたいと考えております。また本年度設置します、姫路市市民活動推進懇話会においても本市における市民活動の推進を図るための施策の実施について、幅広い意見・助言、協力等を求め、本市におけるNPO等との協働のあり方について議論していくこととしておりますのでご理解のほどお願いします。またニート・引きこもり対策のように所管が多く、他部局にわかれる場合のNPO等の協働についても検討したいと考えております。以上でございます。 |
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(3)わかものジョブセンターについて
ア.現在までの雇用数と今年度の数値目標設定について
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次にわかものジョブセンターについて伺います。
先ほど、ジニ係数をもとに格差が拡大している現状について触れましたが、老年層と若年層のジニ係数が拡大しています。主にフリーターや契約・派遣社員等の非正規雇用の増加が原因で、若年層でついた格差はその後も挽回するのが難しいという現実もあります。現在の若者が社会を支える中心世代になっていったとき、格差が何を生むのでしょうか。最近は結婚率や少子化にも影響しているといわれていますし、年金・健康保険などの社会保障、税の支え手の減少となり、制度崩壊につながりかねないわけであります。
私は、姫路市が「わかものジョブセンター」を設置した趣旨に賛同し、期待し、これまでの議会でも何度もこの施設について取り上げてきました。
過去に、沖縄県のキャリアセンターと札幌市の就業サポートセンターを行政視察したことがあります。沖縄ではセンター長という責任者を職業紹介事業会社のリクルートから県職員として派遣してもらっていました。札幌市では相談事務そのものを有料職業紹介事業会社2社に委託していました。就職のプロと契約し、成果が上がらなければ再契約はないということです。
一方、姫路のわかものジョブセンターでは「カウンセリング業務」を行うカウンセラーについて、ホームページ上で募集をされていましたが、中高年の方の体験就業としての紹介もあったので驚きました。若者の就職相談等を受けるカウンセラーは重要な仕事で、体験就業でやってもらう仕事ではありません。結局、手違いだったようで、ほっとしたわけでありますが、ジョブセンター貴重な税金で事業を実施していますし、みゆき通りの旧新興書房本店の3階という一等地にありますので賃料も安くはありません。「わかものジョブセンターで相談したら就職につながった」「わかものジョブセンターは役に立った」こんな声や噂が若者やその親御さんからあがるような施設にして頂きたいのです。
昨年9月のオープンから「センター」を通して新たな雇用につながった人数と今年度の雇用数の数値目標について教えてください。特に目標設定についてはこれまで残念ながらが難しいという答弁でありました。目標設定ができないことはありません。改めて目標数値の設定を求めます。 |
[本庄産業局長]
次に3点目のわかものジョブセンターについてのうちアの現在までの雇用数と今年度の数値目標設定についてでございますが、わかものジョブセンターは平成17年9月1日姫路駅前にオープンし35歳以下のフリーターを対象にキャリアカウンセリング、就業相談、職業訓練、研修など就職関連情報等の提供などハローワークとの連携による就職斡旋、支援セミナーなどを実践しております。平成17年9月から平成18年5月まで9ヶ月間で窓口相談件数は延べ471件、カウンセリング件数は96件、就業業者数は開設から本年の3月までが7名、本年の4月・5月で4名で現在5月までの9ヶ月間で11名となっております。わかものジョブセンターは人間関係で自信をなくしたり、就業意欲が低下したフリーターを対象にカウンセリングやセミナーを通じて自信の回復と就業意欲の向上をはかり、併設するハローワークによる就職斡旋までのつなぎの役割をはたすものですが、今年度は就職支援セミナーやパソコン講座等の支援メニューも充実し、前年度の実績を上回るように務めてまいりたいと考えております。
次にイのカウンセリングについてででございますが、まずはじめに議員の質問中にございましたカウンセリング募集にかかる内容についてでございますが、ホームページの掲載またその内容・条件におきましても、誤りがございましたので現在ホームページ上の削除の手続きをとっておりますのでご理解賜りますようお願い申し上げます。 |
札幌市就業サポートセンター
沖縄県キャリアセンター |
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イ.カウンセラーについて |
また、カウンセラーのあり方や確保については、きちんとした成果を出すことを前提として充実をはかって頂きたいと思うのですが、いかがでしょうか。 |
それでは、カウンセラーについてでございますが、現在カウンセラーは民間企業で人事や労務部門を経験した方とハローワークでの実績のある方の常時2名を配置しております。議員お示しのようにカウンセラー業務は重要でありますので今年度はカウンセラーの研修機会を増やして資質の向上に努めるとともに、電話により相談者のフォローに取り組むなどカウンセリングの充実に努めていきたいと考えております。以上でございます。 |
3.姫路都市圏の生き残り戦略 |
(1)人口減少下における地域経営について
ア.姫路市の人口推計(予想)の修正について
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次に、姫路都市圏の生き残り戦略、人口減少下における地域経営について伺います。
姫路市では、総合計画策定にあわせて1999年に基礎調査を実施し、そこで将来の人口推計を計算しました。出生率などを勘案し、かなり高い人口の伸びを予想していました。『全国では2005年をピークに人口が減少へと転じる一方で、姫路市では2020年までは増加基調を維持する』と「姫路市子育て支援計画」の中に記されているように、人口が減少する年を国より15年も遅く想定していたのです。
実際はどうだったのでしょうか。具体的には2005年の人口を49万8千人あまりと推計していましたが、昨年実施された国勢調査の速報では、48万2307人となり、推計から1万6千人も少ない結果となりました。また、悲観的な推計といわれる低位推計でも49万5千人余りと推計していましたが、これよりも1万3千人も少なくなりました。速報段階とはいえ、推計との乖離は、かなり大きいものとなっています。
それでも旧姫路市の総人口は5年前と比べれば0.8%と少し増えていますが、今年3月に合併した旧4町では全て減少となっており、新姫路市全体では0.2%増。国勢調査基準の正式な人口としては去年が姫路市のピークとなったということでほぼ間違いないでしょう。
人口は全ての基本で、人口推計のデータは様々な市の施策の事業予測等の根拠としても使われています。さきほどの「子育て支援計画」にしても、このような楽観的な人口見通しを前提にした計画内容では、必要な施策が十分に措置されているか心配にもなってきます。
今回の国勢調査で人口推計が大きく下方修正される結果が出たということで、早急な人口推計の見直しが必要ということでありますし、また想定外に人口の伸びが止まった理由をきちんと分析し、その対策をとらなければならないと思いますが、ご所見をお伺いします。
参考資料
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[嵯峨助役]
私からはご質問中3項目目の姫路都市圏の生き残り戦略のうち1点目から3点目について御答弁申し上げます。まず1点目の人口減少下における地域経済、地域経営についてのうち、姫路市の人口推計(予想)の修正をについてでございますが、現総合計画の基本指標である人口推計は人口の変動要因であります自然動態と社会動態の両方を含んだ推移率を根拠として客観的に推計したものであり、国勢調査人口の推移から計画の最終年度である平成24年度には50万人に達すると想定したものでございます。新総合計画の策定に向けて、今年度から基礎的な調査研究に着手いたしますが、合併似る市域、人口、産業構造等の都市フレームの変化やご指摘の人口増率の鈍化など社会情勢の変化を的確に捉え、まちづくりの基礎的な指標である人口推計をはじめ経済関連指標等の推計を実施することにしております。なお実際の人口推移が推計よりも下回っている理由でございますが、これにつきましても本年度に分析する予定でございます。 |
わが国の人口動態がマクロ経済に及ぼす影響について(早大同級生 稲田くん他) |
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イ.経済産業省「地域経済研究会」が予想した2030年の地域経済のシミュレーションについて |
次に、経済産業省の「地域経済研究会」が予想した人口減少下における地域経営、〜2030年の地域経済のシミュレーション〜についてお伺いします。このシミュレーションは全国269都市圏の人口減少後の地域経済の状態を予測したもので、当市の周辺12自治体を姫路都市圏として、2030年の域内総生産を予測しています。この予測では、全国の約9割の都市圏で総生産が減少しています。
出生率の低下は都市部で顕著ですが、一方で人口や経済が都市部へ集中するため、人口減少のペースは緩く、周辺部の自治体の人口は減少に入っていますので、相対的な地位は逆に都市部が上昇するということです。姫路都市圏も、人口が9.1%減と予測されていますが、域内総生産は逆に4.8%の増加となっており、これは、雇用などの集中があるということなのです。近畿2府4県にある22都市圏では大阪・神戸・京都圏に次いで高い数値となっています。このシミュレーション結果についてどのような感想をお持ちですか、お聞かせ下さい。
参考資料 |
次に経済産業省地域経済研究会が予想した2030年の地域経済のシミュレーションについてでございますが、経済産業省に設置されております地域経済研究会が昨年十二月に公表した報告書によりますと2030年の我が国の地域経済は東京を除きすべての都市で人口が減少すること、大都市を中心とする35都市圏を除き、域内総生産も縮小することが推計されております。また報告書では姫路圏域は域内総生産が4.8%拡大するものとされており、近畿圏における主な都市圏の中では、議員ご指摘の通り大阪市の10.3、神戸市の6.1、京都市の4.9についで4位となっております。これは、姫路市を中核とする姫路圏域の都市力・経済力の力強さ、将来性が評価されたものと認識しておりますが、今後とも産官学が連携して積極的な都市経営に努めてまいりたいと考えております。
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人口減少下における地域経営について 〜2030年の地域経済のシミュレーション〜経済産業省「地域経済研究会」 |
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(2)石見利勝市長の道州制に対する賛否と考え方 |
人口減少に歯止めがかからなければ、税や社会保障の担い手も減少し、1人あたりの借金が更に膨らみ、財政的には更に厳しくなるでしょう。しかし、そうした時代でも、一定の行政サービスを維持するためには、行政コストをできる限り下げておかなければなりません。その一つが、市町村合併でありました。基礎自治体の体力を強化し、財源と権限の移譲によって、大きな事務を住民により近い位置でこなせる体制をつくろうとしたわけです。この次のステップとしては現在県や国の出先機関が担っている事務の効率化であり、その事務の多くを市町村へ委ね、残る広域的な事務だけを道州に移譲する、それが地方制度調査会の答申した「道州制」であります。
姫路市は調査会が示した道州制の3つの区域例の全てで関西州に属しています。これまでは兵庫県域内で2番手、関西圏でも非県庁所在地という位置づけであった姫路ですが、いずれの構図でも、地理的には州西部の拠点都市、圏域的には旧播磨国の中心都市という位置づけになると考えられます。県や県庁所在地が廃止されれば、都市は関西州域内の位置・交通、人口や経済で評価されることになりますから、姫路にとっては支店立地などの企業誘致をはじめ都市間競争上も有利になることが見込まれます。国や道州の出先機関の播磨全域の拠点となる可能性も高いです。
また道州制になれば、現在の政令指定都市と同様の権限が委譲されるでしょうから、様々な独自施策が実行できるようになります。政令市になるために行政効率や1人あたりの税収を度外視して相当無理な合併を進めた一部の都市がありますが、姫路市は更なる広域的な合併をするリスクなしで政令市が視野に入ってきます。
関西州の中の姫路市。遠くない将来にこうした道州制がスタートする可能性があるわけであります。石見市長はこの「道州制」に賛成なのか反対なのか。私は姫路市にとっては望ましい制度であると考えますが、政治家としての市長ご本人のご見解をどうぞお聞かせ下さい。
参考資料 |
次に2点目の石見利勝市長の道州制に対する賛否と考え方についてでございますが、首相の諮問機関である地方制度調査会が平成18年2月28日に道州制のあり方に関する答申を小泉首相に提出されましたことは承知しております。これは、現在の都道府県を廃止して、日本をいくつかの大ブロックに分け、道や州という広域的な地方行政単位に編成するものでございますが、更なる地方分権を推し進めるためには市町村合併の進展や三位一体の改革など地方自治体を取り巻く環境が大きく変化する中で、国と地方双方のあり方を再構築する道州制のあり方など広域自治体制度の見直しなり、国会のあり方に関する検討は避けて通れないものと考えております。
今後、広域自治体制度の見直しについて大いに議論を深めていく必要があると認識しておりますが、現時点では道州制も有力な選択肢の一つであってございます。これにとらわることなく幅広い視点から住民の意見を聞きながら、検討を進めていくことを考えておりますのでご理解賜りますようお願いします。 |
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(3)三位一体改革と今後の課題
ア.姫路市にとってのメリット・デメリット
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次に、三位一体改革と今後の課題、姫路市にとってのメリット・デメリットについて伺います。小泉内閣の進めた三位一体の改革とは、簡単に言えば、国が補助金を出して地方にやってもらっていた仕事を地方に移す代わりに財源と権限を地方に移すという改革でありました。
今後の改革に当たり、全国市長会や中核市市長会等で姫路市としての意見を表明し、国に対して働きかけを行うにしても、きちんと総括をしておく必要があります。国庫補助負担金の廃止・削減によって新たに発生するコストと新たに手に入れた財源の収支を総括するとともに、どんなメリットとデメリットがあったと考えているのかお伺いします。
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次に3点目の三位一体改革と今後の課題のうち、姫路市にとってのメリット・デメリットについてでございますが、まず新たなコストと財源の総括につきましては国庫補助負担金の廃止・縮減のうち、税源移譲に結びつく改革に対応して十六年から十八年までは所得譲与税が交付されました。19年度以降は所得税から住民税への税源移譲がなされることによって措置されることになっており、これによって新たに生じた負担増にほぼ見舞う措置がなされております。
三位一体の改革ののメリットは地方の権限と責任が拡大され、財政面で地方の自由度が高まることにより地方から自らの責任で市民の必要なサービスを選択できる幅が拡大し、国・地方を通じた簡素で効率的な行政システムの構築がはかられるものと考えております。
また、デメリットは本市の行政需要には大きな変化は生じていないにもかかわらず、交付税改革を通じ、地方交付税の交付額が減少したことと考えております。
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イ.今後予想される地方財政の方向性と財源の確保について |
次に、今後予想される地方財政の方向性と財源の確保について伺います。
国の税収は、企業収益が回復して相当好調な今年度で50兆円ぐらいの見込みでありますが、これでも、プライマリーバランスの赤字という状態であり、財政はよくなりません。そんな中で、国は自治体の破産法制の検討まではじめています。今後、自治体間の財政格差、財源の偏在性を補正する地方交付税を減らし、2010年代初頭には市町村の人口割合で三分の一ぐらいを不交付団体とする方針だそうです。その対象となるのは財政力指数が0・9を超える団体。姫路市の財政力指数は直近で「0.867」と0.9に近いところにあり、財源移譲の結果によっては、財政力指数が上昇し、不交付団体になることも考えられます。
今月15日には総務省から来年度から人口と面積を基準に配分する新型地方交付税を導入するという通知が出されたということです。既に反対や懸念の声をあげておられる県知事等も多いのですが、この新型交付税制度は姫路市にとって有利なのか不利なのか。今後厳しさが見込まれる地方財政の中で姫路市は、いかなる方針でのぞむのか、今後の地方財政に対する認識とあわせてご所見をお伺いします。
また自主財源の内容や姫路市の税収の特徴については。今後移譲される可能性のある税財源や現在の税源の状況を知っておかなければならないと思いますので、以下何点かについて教えてください。
まず姫路市の自主財源である市税収入のうち全体の約7割をしめる上位2税、資産にかかる固定資産税と(前年度の)所得にかかる個人市民税について伺います。
まず固定資産税についてであります。直近の平成16年度決算における当時の市民1人当たりの税収の額とその額が当時の中核市35市中何位となっているのか、その位置を占める理由等をあわせて教えて下さい(旧姫路市分のみ/資産価値 @)。
また、個人市民税については今回税率が10%にフラット化されるのですが、16年度決算における当時の市民1人当たりの税収額とその税額が当時の中核市35市中何位となっているのか、その位置を占める理由等をあわせて教えて下さい。
※資産と所得にかかる税の他都市比較
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次に今後予想される地方財政の方法と財源の確保についてございますが、まず新型地方交付税につきましては、総務省は、この交付税改革は算定方法の簡素化にかかるもので、導入にあっては人口増加に伴う行政コストの低減や、林野との行政コスト差を適切に反映するとともに、過疎地域なども配慮しつつ、さらに十分な経過措置を講じることとしております。本市にとって有利・不利につきましては、これらの制度の詳細なデータが明確でない現在、これを論ずることはできません。しかしながらご指摘の不交付団対数を拡大する等の今後の交付税改革においては、税源移譲もなく、事務事業の見直しも行わない、単なる行政需要の削減となることにつきましては、本市としても反対の声をあげていきたいと考えております。
更に今後とも地方財政をめぐる各制度の改正の動きに留意しながら、市民に必要なサービスを確保できる国・地方を通じた財政制度の確立を図るよう、国に働きかけてまいりたいと考えております。
次に本市の税収の特徴につきましてお答え申し上げます。
まず固定資産税についてでございますが、固定資産税の課税対象は土地と家屋、その他機械装置等事業用資産である償却資産も含まれております。平成16年度決算における固定資産税におきましては市民一人当たりの税額は約85,000円であり、平成17年4月1日現在における中核市35市の中で1位であります。その要因として土地及び事業用資産にかかる償却資産にかかる税額が大きいことがあげられております。この理由といたしましては、上位を占める都市は、嘗て日本の産業を支えた鉄鋼業等の重工業を有する都市であることから、都市の基盤整備が比較的整っていること、及び景気の動向に左右されにくい大きな設備投資の積み重ねがあることと考えております。
市民税につきましては、市民一人当たりの税額は約37,000円であり、中核市35市のうち20位とほぼ真ん中であります。本市の上位の都市は、大都市の周辺であるとか、自動車産業など地域経済が良好な地域であることが多く、下位の都市は大都市圏から比較的離れた地方都市が多いという特徴があります。すなわち景気回復が大都市圏に早くあらわれ、地方都市ではこれに少し遅れて波及しているものと考えております。
本市は大都市圏に属する都市に遅れ気味ですが、他の地方都市より比較的早く景気が回復し、この効果が働いていると考えております。本市といたいましては、今後、国の地方行財政改革に対応できるよう引き続き自主財源の確保に努めるとともに、行財政構造改革への取り組みを進め、持続可能な財政構造の確立を図ってまいりたいと考えております。以上でございます。 |
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(4)公平な税負担・収納率の向上
ア.直近3ヵ年の決算における市税の収納率と不納欠損額 |
また、自主財源の確保とあわせて、公平な税負担が、税に対する信頼、また行政に対する信頼性の基本であります。直近3ヵ年の決算における市税全体の収納率と不納欠損額について教えて下さい。 |
[石田企画財政局長]
私からは、3番目の姫路都市圏の生き残り戦略のうち、4点目の公平な税負担・収納率の向上についてお答え申し上げます。
まず最近3ヵ年の決算における市税の収納率と不能欠損額についてでございますが、平成14年度は収入率は93.0%、不能欠損額は約6億34,41万円、平成15年度は、収入率は92.8%、不能欠損額は約6億4,096万円、平成16年度は、収入率は93.0%、不能欠損額は約5億4,273万円となっております。
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イ.クレジットカード納税等の収納対策、滞納整理の広域化の必要性 |
そして、国から県へ、県から市へ事務や財源の移譲があっても人員の移動はありません。現在の限られた人員で徴収業務を実施していかなければなりません。姫路市ではクレジットカードによる納税が、先進事例の導入、納税意欲を高める施策として有効ではないかと考えます。最近のオンラインショップの隆盛でカード決裁の機会は拡大しており、納税機会の拡大や意欲の向上、経費削減にも寄与する可能性があります。
先月神奈川県の藤沢市で軽自動車税のクレジットカード納税について社会実験を実施しています。手続きのスピード性、ポイント付与など納税者の利便性向上と自治体の立場では収納の確実性や、督促や滞納整理経費の削減などの利点が考えられるということです。軽自動車税は、姫路市でも口座振替率が6%程度と低く、年1回の徴収であることからこうしたカード納税に向いていると思われますがいかがでしょうか?
また、税は税務署・県税事務所・市役所など納税窓口がバラバラです。払って頂けない方は実は同じ場合も多いわけでありますが、徴収庁ごとにバラバラに滞納整理や滞納処分をするということは無駄が多いと思います。過去の議会でも提言しましたが、少なくとも地方税の滞納整理や処分の広域化ははかれないものでしょうか。今回の税源委譲では、個人県民税が大きく、これまで市民税:県民税の比率がほぼ7:3だったものが、6:4と県の占める比率が増えます。これからは住民税の徴収、特に広域的な滞納整理や処分の事務を引き受けてもらう必要があるのではないでしょうか。
静岡県の「地方税一元化構想」や岐阜県、和歌山県なども県域での取り組みをはじめました。兵庫県も実施すべきだと思いますが、動きがあれば教えて下さい。
参考資料 |
次に、クレジットカード納税等の収納対策についてってございますが、クレジットカード利用による納税制度は、議員ご指摘のようなメリットはあるといわれておりますことは事実でございます。全国的に見ますとご指摘の通り、神奈川県の藤沢市がこの5月から軽自動車税について、また大阪府が来年5月から自動車税についてクレジットカード利用を開始すると伝えられておりますが、経済産業省が実施したアンケート結果によりますと回答した自治体の9割強が手数料、導入費用予算について不安を持っており、特に手数料について継続的な負担であるところから導入になかなか踏み切れないのが現状であると考えております。
しかし、納税者の利便性の向上を図ることは行政にかせられた大きな課題であり、今後、先進事例の動向を注視しつつ検討を重ねてまいりたいと考えております。
次に滞納整理の広域化の必要性についてでございますが、ご指摘の和歌山県をはじめいくつかの県において県内市町村を構成員とする滞納整理に関する一部事務組合が設立されております。現在のところ兵庫県は県下における同種の組織を設立する動きはございませんが、従来から各地の県税事務所と共同で市町の徴税担当者に督促、差し押えなどの研修や助言を行ってまいりましたことに加えまして、国から地方への税源委譲という流れの中にあって、地方税の徴収体制の強化が重要な課題となってきていることから、県内市町の住民税徴収を支援する担当班を税務かに新設をいたしました。本市におきましてもは県とも情報交換を行いつつ、滞納整理を進めているものであり、将来的にはご指摘のような広域での取り組みも課題解決のための選択肢の一つとして考えられます。今後の実績を注視してまいりたいと考えております。 |
神奈川県藤沢市平成18年度軽自動車税
静岡県地方税一元化構想
県による個人住民税の直接徴収(岐阜県)
悪質な住民税の滞納県が3割以上を徴収(和歌山県) |
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ウ.滞納処分とネット公売について |
また、税金滞納者から差し押さえた自動車や物品などの動産を中心にヤフーホームページ上でネット公売が実施されています。動産は流動性に問題があるということで、これまで差し押さえを実施して来なかった自治体が多く、姫路市では現在も動産の差押は実施していないようです。
ヤフーの物品、自動車などを中心にした公売は東京都が実施していることで有名ですが、最近は全国の自治体が続々と参入しています。動産の差押・公売が可能になり、税収も増えるというメリットがあるからです。自動車などの動産を滞納処分の対象とすることは、滞納者に厳しい姿勢で臨むという、公正な税制度に不可欠なことであるとも思います。姫路市も滞納処分として動産の差し押さえとネット公売に参加すればいいと思いますが、ご所見をお伺いします。
※倉庫がない 徴税経費/徴税費率0.61%(中核市トップ)は上がるが、公正な社会に不可欠
参考資料 |
滞納処分とネット公売についてでございますが、ご指摘の通り滞納処分の一環としてインターネット公売を利用する自治体が徐々に増えていることは事実でございます。
動産にかかるネット公売を実施するに当たりましては対象となる動産などを精査する必要があり、そのノウハウを取得する必要があるほか、差し押さえた動産の保管、管理方法を確立するなど確立すべき課題がいくつかございますが、自主財源の充実確保をはかる上でぜひとも解決すべき課題でありますので検討してまいりたいと考えております。ご理解を賜りますようによろしくお願いを致します。以上でございます。 |
ヤフーホームページ上の公売オークションサイト
市税の滞納処分による不動産等の公売のお知らせ(神戸市)
姫路市の徴税費比率中核市1位(いわき市資料/P46) |
4.賑わいある国際観光都市姫路へ 祭り、おもてなし |
(1)ゆかた祭りと暴走族期待族規制条例の制定と成果について |
次に、賑わいある国際観光都市姫路へ 祭り、おもてなし
ゆかた祭りと暴走族期待族 規制条例の制定と成果について伺います。今週22・23の両日に予定されている、姫路ゆかたまつりですが、残念ながら今年は2日に短縮されました。暴徒化する若者や暴走族対策に県内の警察官を大量動員することの代償の大きさと、祭りで逮捕者がでることを姫路の恥ととらえる声もあります。ある新聞では「『夜は暴走族のまつり』ともやゆされる」と表現されていました。大変不名誉なネーミングであります。また、昨年「逮捕された少年たちは『(都会の)神戸では恥ずかしくてできない』と供述した」という新聞もありました。これも聞き捨てならない話であります。過去、市の暴走族期待族
規制条例でこうした暴徒化を防げるという議論もあったと承知をしていますが、条例制定後の検挙例や条例の成果等について、また改正等で実効性を高めることができないのかについても教えて下さい。
参考資料
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[河原生活安全監]
竹内議員のご質問中、私からは4項目目の賑わいある国際観光都市姫路へ 祭り、おもてなしについてお答えを致します。
まず一番目のゆかた祭りと暴走族期待族規制条例の制定と成果についてでございますが、本市が平成13年に制定した姫路市民の安全と安心を推進する条例につきましては平成12年のゆかたまつりにおいて姫路駅前で暴走族や期待族が暴徒化し、28名の現場逮捕者が出るという騒乱事件が発生し、その対策として制定された経緯がございます。本条例は、その名称から安全で安心な地域社会を実現することを目的とした生活安全上例であるべきはずでございますが、その制定経緯から期待族を取り締まる禁止規定を有する暴走族追放条例的性格を持つものとなっております。暴走行為の助長等を禁止する規定として特定地域における暴走行為に対するあおり行為、二人以上で覆面等をして群がる行為、二人以上で特攻服を着用して威勢を示す行為を禁止し、煽り行為に対しては罰則を設けております。ただし祭り期間中は、特定地域が交通規制により通行止めとなり、暴走行為者が存在しないので罰則規定のある煽り行為そのものが成立しないため、これまで本条例の適用事例はございません。本条例は、平成13年3月の公布、禁止規定につきましては同年六月施行となっております。平成13年の祭りでは15名の公務執行妨害の逮捕者を出したものの、その後三年間はいくぶん沈静化し、一定の条例の成果があったものと考えておりますが、昨年再び15名の逮捕者がでる騒動がおきました。本年は条例による禁止行為の周知徹底を目的とした大型看板5枚の設置、市職員、姫路防犯協会、姫路市少年補導委員会等の関係機関の協力を得て、50名体制で来訪者の交通誘導を行い、市民の安全確保に努めて参りたいと考えております。なお本条例の改正による罰則強化につきましては上位法令との均衡上困難と考えております。 |
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(2)歩きたばこ禁止条例について |
次に歩きたばこ禁止条例について伺います。
2002年に東京の千代田区で東京駅周辺を範囲とする「歩きたばこ禁止条例」が全国ではじめて制定されました。この条例では、歩きたばこに行政罰として2000円の過料をかし、現場に担当を置いてその場で過料を徴収するという驚くべき内容でありました。その後、富山市や広島市などに相次いで導入されています。私も本会議初質問の際に取り上げました。
ポイ捨て禁止という美化的な観点だけでなく、大手前通り周辺や姫路城は外国からの観光客も多く、動物園はこどもが楽しむ場所であり、受動喫煙の防止にもなります。喫煙者の方には、定められた喫煙場所を設けることによって喫煙・非喫煙場所を明確するなどの配慮を実施すれば誰にも優しい街 姫路への一歩となると思うのですがいかがでしょうか。決断を求めます。
参考資料
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次に2番目の歩きたばこ禁止条例についてでございますが、健康上や環境美化の面からはもちろん、国際観光都市としてのイメージ、おもてなしの観点からも歩きたばこは決して好ましいことではないと考えております。そこで姫路市の玄関口である大手前通り等での歩きタバコの禁止、内郭内での喫煙場所の設定等について街の美化、安全安心などの観点も踏まえ関係各課と検討を行なってまいりたいと考えております。
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防げるか若者の「暴走」姫路、青森で罰則条例(神戸新聞)
姫路市立の141学校園 敷地内、全面禁煙
歩きたばこ禁止条例(竹内初質問) |
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(3)今年度のAED(自動体外式除細動器)の整備予定について |
次に、今年度の姫路市のAED(自動体外式除細動器)の整備予定について伺います。姫路市消防局では毎年約1万人の市民の方々に学校や各地域で講習会を開いているとのことですが、昨年からはAEDの取り扱いも含めた心肺蘇生法を普及しているということです。学校等でAEDを使った講習を実施する一方で、肝心のAEDは市立学校では全てをあわせても安室東小学校に1台あるのみだそうです。
姫路市として「学校やスポーツ施設、観光施設等優先度の高い施設から設置促進を図ってまいりたい」と昨年末の本会議でも説明されておりますが、今年度は、どういったところに何台設置する予定なのか、教えて下さい。
×予算がつかなかった例
参考資料 |
次に3番目の今年度のAED(自動体外式除細動器)の整備予定についてでございますが、現在本市では保健所、すこやかセンター、スポーツ施設など17箇所の公共施設にAEDが設置されております。また保健所や消防局では市民の理解と関心を高めるため、様々な機会を捉え普及啓発につとめるとともに、議員ご指摘の通り、特に学校関係者やスポーツ関係者には心配蘇生等の救急講習にあわせAEDの有効性について啓発を行ってきたところでございます。
残念ながら、今年度公共施設における新たなAEDの設置の予定がない状況でございますが、今後AEDの重要性・有効性にかんがみ優先度の高い施設から順次設置して頂くよう施設管理者に対し強く啓発してまいりたいと考えております。以上でございます。 |
5.市立図書館駐車場の有料化は市長裁定が必要 |
最後に、市立図書館駐車場の有料化についてお伺いします。
去る5月1日から市立城内図書館西の「城の北駐車場」の無料利用時間が1時間から30分になりました。来年度からはこの30分間の無料の特例措置も廃止され、完全有料化されるとの報道もありました。姫路市が市民の皆さんから頂く市政ふれあいメールでも市に意見が寄せられているようですが、この駐車場は姫路市ではなく、(財)姫路市都市整備公社が管理しております。ただし整備公社というのは、姫路市が100%出捐する外郭団体であります。
現在、図書館の利用者の7割が自動車で来ているということですから、完全有料化すると確実に利用が抑制されるでしょう。そもそも図書館の設置目的は図書館法という法律で定められており、「そ(図書館)の健全な発達を図り、もつて国民の教育と文化の発展に寄与することを目的とする」、また「土地の事情及び一般公衆の希望にそい、更に学校教育を援助し得るように留意する」ともされています。実は先に触れたフィンランドの図書館と全く同じ考えであります。
また同法第17条には、「公立図書館は、入館料その他図書館資料の利用に対するいかなる対価をも徴収してはならない」と規定されています。敢えてこうした条文を設け無料にしている理由は、「国民の教育と文化の発展に寄与する」ことが目的であるからであります。当市も校区全部に分館があるわけがなく、保護者の車に乗せてきてもらっている子どもも多いと思います。こんな利用者が減ることになってもいいのでしょうか。
一方、「城の北」駐車場だけに特別な無料時間を設定することは他の駐車場の利用者との負担の公平からできない、会計も悪化するというのが整備公社の主張です。これも整備公社の立場に立てば理解できます。現在、整備公社と図書館の主張は平行線で、それぞれの市長を除く責任者は米田助役と松本教育長ということになりましょうか。これは市長のリーダーシップによりどのようにすべきか判断をお願いしたいのです。
市長が整備公社の理事長である米田助役に「来年からは図書館利用者からもきっちり駐車料金をとりなさい」といわれるのか、「図書館の利用者に限って本の貸し借りが最低限できる30分程度の無料特例を当分の間継続するように」といわれるのか。私は後者を希望しますが、市長のご裁定をお願いしたいと思います。
これで第一問を終ります。
参考資料 |
[大前都市整備公社担当理事]
竹内議員ご質問中、私からは5項目目の市立図書館駐車場の有料化は市長裁定が必要につきましてご答弁申し上げます。
公共施設の利用者のための自動車用駐車場などいわゆる利便施設の確保につきましては本来各施設において措置すべき問題であります。しかしながら、市中心部の公共施設の専用駐車場につきましては必要な用地の確保が容易でないため都市機能上公共駐車場を設けて一括集中管理することにより土地の有効活用を図るべきであるとの考えに基づき、本市でも都市交通対策事業として駐車場を順次整備し、都市整備公社方式による管理運営をしているものであります。
また近年、公社等の経営と公共施設の行政サービスの在り方が問われているところであります。本市都市整備公社においても改めて平成17年度より考え方を整備し、順次経理の明確化を図っているところであります。予算的には公社が運営する各施設の料金体系等の一部見直しや他会計との負担の明確化を図ったものでありますが、議員をお尋ねの城の北駐車場につきましては教育委員会からの強い要望を受け、過去の経緯に鑑みて激変緩和措置として特例的に当分の間、30分に限り無料としたものでございます。その期間につきましては、今のところ終期を示してはおりません。今後の取り扱いつきましては情勢を見極めながら関係者と協議の上、進めてまいりたいと考えておりますのでご理解賜りますようお願いいたします。 |
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