姫路市わたりの実情(給与条例施行規則から)

直近上位+アルファ特別昇給(1号給・係長以上2号給) の実態−国家公務員等でも同様の制度あり

下記の姫路市規則原文は公開されており、一定の情報公開は果たされています。これらの規則に何か問題がある場合、誰がチェックしていくかが重要になってきます。正直なところ、規則制定の方法や公開方法もさることながら、条文の内容まで解釈することは現状では難しいでしょう。
片山知事が新聞記事で指摘した内容は、複雑な制度を県民にわかるように公表するということでしょうね。わかりやすく公表すれば、必要か不必要かは、市民が判断できるようになります。ということで、姫路市の仕組みについて、わかりやすくとはいきませんが少し説明しておきます。


○姫路市職員給与条例施行規則(昭和29年7月13日規則第19号)

(昇格)

第4条の6 職員を次の各号に掲げる職務の級に昇格(職員の職務の級を同一給料表の上位の職務の級に変更することをいう。以下同じ。)させるときはあらかじめ市長の承認を得て、その他の職務の級に昇格させるときは特別の場合を除くほか市長が定める資格基準に従い、その者の資格に応じて、1級上位の職務の級に決定するものとする。
(1) 行政職給料表5級以上の級[係長級以上]
(2) 消防職給料表4級以上の級
(3) 医療職給料表2級以上の級

2 職員が生命をとして職務を遂行し、そのために危篤となり、又は著しい障害の状態となった場合その他これに準ずる場合においては、前項の規定にかかわらず、あらかじめ市長の承認を得て昇格させることができる。

(昇格させた場合の給料月額)

第4条の7 職員を別表第2に定める職務の級以上の職務の級に昇格させた場合[行政職の場合、3級昇格以上]におけるその者の給料月額は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める給料月額とする。

(1) 昇格した日の前日に受けていた給料月額が昇格した職務の級の最低の号給と同じ額の号給(同じ額の号給がないときは、直近下位の額の号給)に達しない号給であるとき
「昇格した職務の級の最低の号給」
※相当な飛び級昇格が行われない限り、実際には該当者は存在しない。


(2) 昇格した日の前日に受けていた給料月額が別表第2の2に定める号給(以下この条において「特定号給」という。)に達しない号給であるとき(前号に掲げる場合を除く。)
昇格した日の前日に受けていた号給と同じ額の号給(同じ額の号給がないときは、当該号給の直近上位の額の号給。以下この条において「対応号給」という。)の1号給上位の号給
※対応号給自体が給料UPであり、これが本来の給料月額となるはずだが、昇格に伴って、実質的に「1号給の特別昇給」もあわせて行っているということがわかる。

対応号給の1号給上位とせず「直近上位」と規定すれば、同額支給もなくなるが…。

(3) 昇格した日の前日に受けていた給料月額が特定号給[別表第2の2に定める号給]以上の号給(職務の級の最高の号給を除く。)であるとき
対応号給の2号給上位の号給
※主事級(3級)・主任級(4級)への昇格のごく一部(長期在職者)と、係長級へ昇格した大半の職員と、課長補佐級以上の昇格については全員が下記の「別表第2の2に定める号給」以上に該当している。
係長(5級)以上の課長補佐(6級)、課長(7級)、部長(8級)、局長(9級)への昇格については、役職に応じた管理職手当が給料の25%(最高11万2千円)まで段階的に増額支給されるようになることに加えて、ほぼ全員に、実質的な「2号給の特別昇給」をあわせて行っているということになる。

(4) 昇格した日の前日に受けていた給料月額が職務の級の最高の号給又は最高の号給を超える給料月額で昇格した職務の級の最高の号給の2号給下位の号給を超えない額のものであるとき
対応号給の2号給上位の号給

※一部の級に長期滞留に伴い給料表に規定を超える高額の給料を受ける職員がいるため、規則を整備したもの。基本的に上記の(3)と同じ「2号給特別昇給」

(5) 昇格した日の前日に受けていた給料月額が職務の級の最高の号給又は最高の号給を超える給料月額で昇格した職務の級の最高の号給の2号給下位の号給を超える額のものであるとき 
あらかじめ市長の承認を得て定める給料月額

※前の級の給料が高すぎ、上位の級の給料表でも、2号給を上げることができないため、給料表には存在しない高い金額を新たに定めるという規定。2号給特別昇給と同じ。


2 職員を別表第2に定める職務の級より下位の職務の級に昇格させた場合[行政職の場合、2級昇格]におけるその者の給料月額は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める給料月額とする。
※行政職2級への昇格の場合、特定号給(2級13号給)以上という職員自体が存在しないため、2級昇格の場合、対応号給での移行ということになり、優遇はない。

(1) 昇格した日の前日に受けていた給料月額が昇格した職務の級の最低の号給と同じ額の号給 (同じ額の号給がないときは、直近下位の額の号給)に達しない号給であるとき
 昇格した職務の級の最低の号給

(2) 昇格した日の前日に受けていた給料月額が特定号給に達しない号給であるとき(前号に掲げる場合を除く。)
 対応号給

(3) 昇格した日の前日に受けていた給料月額が特定号給以上の号給(職務の級の最高の号給を除く。)であるとき
 対応号給の1号給上位の号給

(4) 昇格した日の前日に受けていた給料月額が職務の級の最高の号給又は最高の号給を超える給料月額で昇格した職務の級の最高の号給の1号給下位の号給を超えない額のものであるとき
 対応号給の1号給上位の号給

(5) 昇格した日の前日に受けていた給料月額が職務の級の最高の号給を超える給料月額で昇格した職務の級の最高の号給の1号給下位の号給を超える額のものであるとき
 あらかじめ市長の承認を得て定める給料月額


3 降格(職員の職務の級を同一給料表の下位の職務の級に変更することをいう。以下同じ。)した職員のうち、当該降格後の給料月額を当該降格の日の前日に受けていた給料月額と同じ額の給料月額又はその直近下位の給料月額に決定された職員に対する当該降格後の最初の昇格に係る前2項の規定の適用については、第1項第2号中「昇格した日の前日に受けていた号給と同じ額の号給(同じ額の号給がないときは、当該号給の直近上位の額の号給。以下この条において「対応号給」という。)の1号給上位の号給」並びに同項第3号及び第4号中「対応号給の2号給上位の号給」とあるのは「対応号給」(当該降格後の給料月額を特定号給より下位の号給に決定された職員が特定号給以上の給料月額から昇格する場合にあっては、「対応号給の1号給上位の号給」)とするほか、当該降格後の給料月額を特定号給以上の給料月額に決定された場合に限り、前項第3号及び第4号中「対応号給の1号給上位の号給」とあるのは「対応号給」とする。

別表第2(第4条の7関係)

給料表 職務の級
行政職給料表 3級
技能労務職給料表 3級
消防職給料表 3級
医療職給料表 2級

別表第2の2(第4条の7関係)

給料表\職務の級 1級 2級 3級 4級 5級 6級 7級 8級
行政職給料表 13号給 13号給 16号給 20号給 17号給 17号給 11号給 13号給
技能労務職給料表 19号給 19号給 16号給 20号給
消防職給料表 18号給 16号給 21号給 18号給 16号給 11号給 13号給
医療職給料表 14号給 15号給 18号給