閣議後記者会見概要 (H16.12.21(火)11:20〜11:55 省内会見場)
《平成16年度上半期における随意契約の調査結果について》
(衛藤副大臣)
随意契約のあり方の見直しにつきまして、社会保険庁を含む厚生労働省全体の
対応でございます。これは1件あたり100万円以上の随意契約については、全てホームページにおいて公表したいと思います。財務省の見直しでは、物品等は1,600万円から160万円に引き下げたところでございますけれども、厚生労働省・社会保険庁におきましては、100万円以上の随意契約について全てホームページにおいて公表させていただきたいと思っております。そして各部局に随意契約審査のための委員会を設置させていただきます。そして100万円以上の随意契約を対象に、契約の理由は適正だったかどうかということを事後的に審査する仕組みを導入いたします。その審査結果についても公表させていただきます。なおこの随意契約の事後審査につきましては、来年平成17年1月からまず本省の会計課及び社会保険庁において試行的に実施いたしまして、地方も含めた全部局での実施につなげていく方向で徹底していきたいと思っております。その際当面500万円以上の随意契約につきましては、契約の必要性、随意契約の理由、契約の相手方等について第三者の目で確認するという観点から、大臣のご指示もいただきましたが、事前に副大臣まで報告がくるようにしたいと思います。さらに社会保険庁にありましては、独自の取組として去る10月に契約方法等の事前審査を行い、透明性、競争性の確保と調達コストの削減を図ることを目的として、調達委員会を設置いたしておりますので、これをうまく機能させていきたいと思っております。先日財務大臣から随意契約見直しに関する発言がございましたが、厚生労働省といたしましては以上のような上乗せの対応の実施をしてまいりたいと思っております。実務的な内容につきましては、後ほど事務方より発表させていただきます。以上でございます。
[中略]
(記者)
大臣は今回の社会保険庁本庁分の随意契約の調査結果について、どのように受け止められていらっしゃいますでしょうか。例えば長期固定化の契約が1,424件もあったというような実態について、大臣ご自身はどういうふうに受け止められてらっしゃいますか。
(大臣)
そもそもこの社会保険庁、厚生労働省を含めいろんな不祥事がでました。私が最初に、これはいつか言ったことがあるんじゃないかと思いますが、諸悪の根元が随意契約にあるのではないかと思いました。そこで随意契約を徹底して洗い直してくれということを指示したわけでございます。その作業をずっとしてきたわけでありますが、その間またその他の不祥事もありまして、その調査もございました。そこでまず随意契約をということで調査を進めて、今回今日の公表に至ったわけでございます。ただ先程来申し上げておりますように、社会保険庁の出先の分まで入れますと15万件とか16万件とかいう数字になるものですから、この調査を今まだ続けております。そしてこの随意契約の公表もこれで終わりというつもりではございません。まず今日までわかった分ということで公表させていただいたわけでございますが、何しろ16万件にも及ぶというものでありますので、作業に手間取っておるということはお許しをいただきたいと思います。
そこで今日発表した分、先ほど大きな類型で公表させていただきましたけれども、改めて見ていただきたいのでありますが先ほどお示しをいたしました調査結果、社会保険庁本庁分ということでお出しをしております。この中の点線より下は、一言で言うと買う必要がそれほど認められない、もう全くという程はそれぞれの判断だと思いますが、植木鉢だとかそんなものでありますから全くなかったとまでは言えないにしても今後買わないことに決めたわけでありますので、今日まで買う必要がそれほどあったとは思えないとまず指摘をいたしました。これはいわば論外の部分だというふうに私は考えております。その他といいますか、随意契約をやっていたその随意契約のあり方に問題があるというものを大きく4つの分類にしています。
その中で感じましたことは、やはり透明性に非常に欠けていた、これはもう間違いのないところであります。したがってこの透明性を高めるために、財務省からのお話は160万円以上ということでございましたけれども、国民生活に一番密着している厚生労働省、社会保険庁の仕事の中身を考えますと、これはもっと厳しく公表すべきだと思いましたので、更に私ども独自の基準として100万円以上の随意契約については全てホームページでお出しする。こうすると全部見ていただけるわけでありますから透明性が高まる。この中でちょっとおかしいことがあれば、これは世間の皆さんが全部ご覧になるわけでありますから、今後はお気付きになるだろう、ご指摘もいただけるだろうと考えているわけでございます。それからあとは無駄があったか、なかったかということでございます。これも先ほど申し上げましたように、改めて4つの問題別の分類で公表させていただきました。これをご覧いただくとお判りいただけるだろうと思いますけれども、相当無駄があったと言わざるを得ない。したがって、その無駄を省くために今後、先ほど来申し上げている方法をとらしていただいて無駄を省いていくと考えているところであります。
それからこの機会でありますからもう一点併せて申し上げたいのであります。500万円以上の随意契約については副大臣まで上げて欲しいということを特に私から申しました。率直に申し上げるのですが、最初私は500万円以上のものくらいが処理できる件数として精一杯だと思いました。先ほど件数を申し上げましたが、これくらいの件数なら何とか処理できると思いましたので、副大臣決裁までやりたいと思いました。しかし、検討いたしましたが技術的に無理がございます。私自身も考えてみたのですが、無理があるということで、これは本当に正直に申し上げるのですが、副大臣決裁は私があきらめました。あきらめて、それではせめて事前の報告をしろ。それで副大臣の目でしっかりと見てもらって判断してもらおうと。決裁に代わる報告ということで、せめて副大臣までは上げて来るべしということを言ったわけでございます。この機会でありますから率直なお話を申し上げて、今後信頼回復のために、私どもが必死で取り組むつもりだということをご理解いただければありがたいと思うわけでございます。
(記者)
地方の16万件、多いですけれども、いつ頃までを目途に調査することになるのですか。
(衛藤副大臣)
来月の半ばを。中下旬には。
(社会保険庁経理課長)
16万件と申しますのは、平成15年度の地方庁の契約の実績で ございます。今地方庁から出てきたものは、相当大量にございます。その件数が上半期だけで何件かというのは正直その総件数をまだ把握できていない状況でありますが、大至急今作業を進めているところであります。出来ますれば1月半ばくらいまでには信頼回復チームにお諮りをさせていただいて公表の方向でということで、作業を今急いでいるところございます。
[中略]
(衛藤副大臣)
結局今回出ている問題は随意契約という制度を悪用してやった。例えばいろいろな器具については他に代わる物がないという理由を勝手につけた、それから金額をわざと細切れにしたわけですね。その2つのことを通して実務的にやってしまったということです。これを今後、この制度を、随意契約というのはどうしても入札にかけられない場合であり、あるいは非常に少額という場合でありますけれども、この制度を悪用されないようにちゃんとするという意味では、今から随意契約の、事後でありますけれども、審査委員会でちゃんとチェックすることを少なくともどうしてもやらなければいけないというぐらいに思っています。社会保険庁としては調達委員会でもって事前にちゃんとチェックをします。全体をやれればいいのですけれども、16万件というだけの数を全部事前にということになってきますと、ちょっと間に合わないケースもありますので、今からは随意契約の審査委員会を本省並びに社会保険庁に設置をしてチェックしていくというシステムを採らなければいけないと思っております。その中で、先ほど大臣からもお話がありましたように、公表してオープンにして透明性を確保しておりますので、そこに、もしおかしいものがあればいろいろな情報として入ってくるのではないかと。そういう意味で皆さんの目から見て、またそれを随意契約の審査委員会においてチェックが出来るのではないかと思っているところであります。
(了)