Web版ひであき日記

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  福岡市のDNA運動!!
2004年08月03日 (火)

puri2.gif ホテルをチェックアウト後、徒歩で北九州市役所。北九州市の「エコタウン北九州」について。エコタウン事業とは、「あらゆる廃棄物を他の産業分野の原料として活用し、最終的に廃棄物をゼロにすること(ゼロ・エミッション)」を目指し、資源循環型社会の構築を図る事業という。ヒアリング並びに質疑応答。

北九州市は小倉市など旧五市が合併してつくった政令市で、旧八幡製鉄(現新日鉄)の企業城下町として同社とともに発展してきたという。新日鉄本体だけで最大44000人の従業員がいま2800人になっているという。

新日鉄の遊休地等を活用して、従来からの公害問題を解決するとともに、環境産業を振興していこうとする施策を進める。一般的に知られるビン・カン、家電等のリサイクルだけでなく、おから、生ごみ、蛍光灯、自動車、OA機器、建設廃材など、生活や産業から排出されるあらゆるゴミのリサイクルや再資源化を実践する会社が集結。なんと古紙リサイクル事業など採算に乗る分野については、引き取りについて中国と価格競争をしているという。

このエコタウン事業については他の自治体の視察も多く、他の事業も合わせると北九州市では平成15年度で250を越える行政視察があったという。ゴミ問題で多くの自治体が悩んでいることの証左かもしれない。ただし、リサイクルということになると、設備投資・土地・企業誘致などむずかしい問題がある。何より、全てが採算に乗っているわけではないし、その確約のない研究事業もある。私の見た限りでは、県や政令市規模でなければ同様の投資は不可能だろう。姫路市でも新日鉄広畑で廃タイヤの再資源化(特区認定事業)が始まったが、鉄以外の新事業に取り組んでいこうという企業努力。皆努力している。

ちなみにエコタウン内の企業はこちら↓
http://www.kitaq-ecotown.com/about/company/index.html

その後、小倉から再度博多。福岡市営地下鉄で天神。駅上すぐの一蘭。全国のラーメンランキングでもトップクラスの有名店。美味。その後、スターバックス。徒歩で福岡市役所。行政改革「DNA2002運動」について。ヒアリング並びに質疑応答。

DNA運動とは、「すべての職員が自らの仕事の価値と意味を認識し、課題を見つけ自ら解決に取り組む運動。市役所の隅々まで活力の溢れる組織風土・やり甲斐のある職場づくりをめざしている」という。市長室に経営補佐部 を設けDNA課まで設置して実践しているという(一度、市長直属から総務人事部門に出したものの、再度市長直轄の部門に置いたという。いわゆる政治主導)。

基本的精神は「できる、納得、遊び心」というが、課/施設などの単位で自主的、自律的な運動として取り組み、画一的な結果を求めるものではなく、よ り良い方向に向かう取り組みのプロセスを重視するという。

DNAとは以下の略
D: 「できる」から始めよう。できない、しない理由から探さない。
N: 納得できる仕事をしよう。市民の納得を自分の納得に。
A: 遊び心を忘れずに。

都市の規模でいえば、福岡市は人口135万人。人口は周辺からの流入により今後も増加していくという。市役所の規模、区役所行政等を加味すると、行革や意識改革の難しい規模だと思う。労働事務次官出身の前市長の後継候補(元市副市長)を破った山崎現市長(元福岡市議会議長・衆院出馬暦も)が、着実に改革を進めている。市役所職員出身の副市長(=助役)1人のほか、他都市から副市長をヘッドハンティングしてきたという。状況はどこかと少し似ている〜。

詳細重要
http://www.city.fukuoka.jp/cgi-bin/odb-get.exe?Wit_template=AM02022&Gc=1321&Ft=AC01122&Bt=AM04022

福岡市では職員の改善提案等を課長で構成するプロポーザル委員会で審議し、検討に値する案件はトップや助役の会議に直接かけ、即断即決で実施するというプロポーザル運動を取り入れたという(2年間で主な提案がなくなり廃止)。

福岡市プロポーザル運動
http://www.city.fukuoka.jp/cgi-bin/odb-get.exe?WIT_template=AC02022&WIT_oid=AYu90B3xt7k90lgSqdtVlMpjEtTbdw

本格的な行革はトップダウンでスタートし、役所の論理に染まっていない職員を市長が適正に評価することにより、行革に取り組ませているようだ。人の顔色を伺ってばかりの人間には絶対にこの種の改革はできないし、正論を曲げない人間でないと駄目。これはどこの行革先進都市も同じだろう。福岡市などは最初の話し振りでわかった。この様な人に一度講演してもらえばいいと思う。旧来の役所の論理、問題点などは全て熟知されている。

この福岡市の意識改革を中心とした行革を姫路市も勉強すべきではないか。行革については大都市ほど難しい。つまり、福岡の施策は姫路に利用できる。

その後、博多からひかりレールスターで姫路。播但線で帰宅。流石に疲労困憊だが、いい話ばかり。勉強できてよかった。受け入れ市の担当者の方々、誘っていただいたジェネレボの皆さん、コーディネーターの多田さんには改めて感謝したい。

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