02/01 (日)
入院中は、新聞や雑誌のほかに、この際ということで新釈漢文大系『十八史略』を実家からもってきてもらってずっと読んでいた。『十八史略』は初学者向けの中国の歴史書で、前漢の司馬遷による『史記』(紀伝体)から北宋の司馬光による『資治通鑑』(編年体)までの18の正史を簡略したものである。殷王朝以前の三皇五帝や夏という伝説の時代から元による南宋滅亡までを大まかに知ることができる。
昔から受験や勉強とは全く別として日本の歴史や伝記が好きだったが、小学生の時にNHKの人形劇「三国志」を見て中国のそれにも興味を持ち、高じて『三国史』諸葛亮伝を暗記したこともある。日本の卑弥呼と諸葛亮が西暦180年前後の生まれとほぼ同年齢で同時期に活躍していることを知って驚いたものである。高校に入ると漢文の授業が始まったこともあり、上下巻で1万円超と少し高価だったが母に買ってもらったのがこの本である。政治とかかわるようになってから、いつか読み返したいと思っていたが、この度ようやくその機会を得た。
「臥薪嘗胆」「鶏口牛後」「先ず隗より始めよ」「泣いて馬謖を斬る」など現代にも残る故事成句やその由来も記されている。また、為政者の言動に対する論評も具体的であり、今の政治家にとっても参考になることも多い。私も実際の就職という人生の岐路に際して、上記の故事成句に従って判断したことがある。歴史や先人に学ぶことは楽しい。こんな時間を与えてもらった病気に感謝すべきか。 |