11/28 (金)
最近「派遣社員を何千人削減」とかいう新聞の見出しをよく目にする。内定取り消しとか契約・期間社員の雇い止めとかとあわせても実に多い。これらマスコミの調査で判明しているだけで3万人の人員削減があるという話である。非正社員の比率が高まり、派遣切りは企業の調整弁とかいうコメントもある。実に堂々とした人員削減である。
先週日曜夜のサキヨミという番組で、新卒時は正社員として働いたもののその後辞め、以降何年もの間、派遣社員として働き、このたびの景気悪化で契約がきられることになった人が出ていた。東京6大学の卒業生で私とほとんど変わらない年齢だった。正社員を目指していたが派遣先が変わるたびに条件も悪くなるという。こんな社会でいいのかと思う。一方、公的セクターにいる人に本音を聞くと、税や徴収に関係する人を除けば、株式運用でもしていなければ、景気悪化とかを体感することは難しいという。社会はいろんな職業や組織に属する人を内包している。温度差というか格差というか。
国会の党首討論を見る。麻生総理は1回の衆院選で4人目の総理である。常識的には麻生おろしはできないと考えるが、党内でも求心力をなくし、霞ヶ関もこの内閣と心中する気は全くないだろう。求心力を再度高めるのは簡単ではない。
政治がおかしいと思っている国民も増えていると思う。しかし投票率はあがるのだろうか。小泉劇場のような面白い選挙はそうあるものではない。無党派層が増加している一方、社会がおかしくなってきても低投票率のまま。組織の指示通りの人や党に投票する人が増え、低投票率なら占有率も高くなる…。街を歩いている政治関係者なら誰しも感じていることであろう。視覚的に感じるのは90年代はじめにはなかった。嫌な時代だ。
株式会社モリモトが東京地裁に民事再生法の適用を申請したとの報道。負債総額は1615億円。東京に本社があり、創業も80年代、東証2部への上場からもあまり年月がたっていないのでよく知らなかったのだが、姫路とは関係があるようだ。下記の会社説明会資料によると、「現在、姫路駅前でのオフィス・商業施設・ホテル・タワーパーキングなどを一体として開発する「姫路駅前・複合プロジェクト」や横浜みなとみらいエリアでの大型オフィスプロジェクト「MM21プロジェクト」など、大規模でかつ高機能プロジェクトが進行しております」とある。
姫路のプロジェクトの所在地は姫路市南駅前町、計画総延床面積は約29,213uの(仮称)姫路コンカードビルである。オフィスのほか、ダイワロイヤルの経営する「ダイワロイネットホテル姫路」が入り、来春オープンの予定だったという。現在工事中で、朝日橋を渡る際などに道からもよく見えていた。モリモトが民事再生法の申請に追い込まれた直接の原因は監査法人から監査意見を得られなかったからという。取引銀行ではなく監査法人である。監査法人が生殺与奪権を握る時代を迎えたという話はよく聞くが、すごい時代である。
2008年7月の会社説明会資料 |