11/09 (水)
ホテルをチェックアウト後、タクシーで会津若松駅。駅舎内で立ち食いそば。唸。その後、快速で郡山。東北新幹線で宇都宮駅。議会事務局総務課のNグループリーダーと合流。車で宇都宮市教育センター「修道館」。S副所長、T総括主査からヒアリング並びに質疑応答。その後、現場見学。更に質疑応答。
教育センターは、教育委員会の附属機関として条例に基づき設置されているもので、教育相談、適応指導、教員研修、調査・研究、情報教育、コミュニティ機能を有している(下記HP参照)。
その機能の中でも、特筆すべきは「教育相談」「適応指導」「情報教育」機能である。例えば、教育相談としては、「学業・学校生活についてや不登校。友人がいない。いじめられる」といったものから「言葉の発音が上手にできない。授業中,じっと席についていられない。特殊学級での支援が受けたい[知的障害,情緒障害,難聴,肢体不自由]。医学的な検査や投薬が必要かどうかアドバイスして欲しい。育て方やしつけに自信がない」などの相談を受け付ける(平成16年度821件 のべ11,112回)。内容によっては、指導主事や教育相談員だけでなく、専門の臨床心理士が担当。日曜でも相談可能な日を多く設けている。また、センター職員や他の来訪者と相談者が顔を合わすことなく、相談室に行けるなど、相談の秘密を堅く守る工夫もされているという(私たちが現場を見せて頂いている時も、実際に相談が実施されていたが、見学は制限された)。
「適応指導」では、ADHD・LD・高機能自閉症等により,学校生活や学習への適応が困難な児童への適応支援として「かすたネット」教室を設置したほか、不登校状態の初期及び軽度の生徒に対して、本人の自立を促すとともに学校生活の適応を図るための援助指導を行い学校への復帰を目指す「とらいあんぐる」教室(平成16年度は中学31・小学1人通級)も設置。
とらいあんぐる教室では、週3日(月火木)はセンター内の教室で学校生活への意欲の喚起と適応を促す指導を、金曜日は体験活動(最近では芋掘り)を通して集団生活への適応を促す指導を行い、水曜日は各自の所属する学校へ通う日にしているという。このほか、学校に行きたくても行けずに困っている子を応援するための相談学級も市内小・中各1校に設置し、集団生活に慣れさせるような取り組みを実施。更に引きこもりに近く、小集団すら苦手で学校復帰が困難な生徒向けには「まちかどの教室」も別に設置している。
また、「Q−U調査」という学級生活満足度を測る調査も今年度全市で導入し、子供たちにの心理状態等を把握したりする取り組みを体系的に行い、指導に役立てるという。教員研修にしても、実施後必ずアンケートを実施し、その結果を研修内容に反映させているのだそうだ。
「情報教育」では、センター職員が直接補佐する形で、市立全小中学校にホームページを開設するよう指示するとともに、転入者にもわかりやすい学校案内を掲載し、平成16年度の『学習定着度調査結果(テスト)』の公開も義務付けている。また、教職員全員にIDを割り当て、連絡は全てメールやオンラインで行っているという。
市会議員になるまで、ADHD、LD等について全くといっていいほど知識がなかったし、今でも詳しいとは言えないのだが、制度に詳しい同僚議員に聞いても、宇都宮市の取り組みは全国的にも先進的な取り組みであるという。最近の家庭環境や社会情勢から判断して、いずれ他の自治体でもこうした取り組みが必要になってくると思う。非常に興味深く話を聞かせて頂いた。
なお、先進事例の時は毎回尋ねるのだが、この事業を最初に主導したのは教育長(現助役)という。副館長からは「是非センターのHPにアクセスしてください」と言われたが、なるほど充実している。学校のHPでも感心するようなHPを見つけた。紹介したい。
宇都宮市教育センター修道館HP http://www.ueis.ed.jp/
横川中央小学校のHP(県優秀校) http://www.ueis.ed.jp/school/yokokawa-c/top.htm 学校だよりのほか、各種行事予定や先生の紹介、給食献立表、就学援助申請書、不審者情報、全市共通の「学習定着度調査結果(テスト)」なども公開。「学校経営概要」という言葉に、強いメッセージを感じる。個人的にも大変勉強になる。
その他の全学校HPリンク集 http://www.ueis.ed.jp/school/html/url.htm
「楽しい学校生活を送るためのアンケートQ−U」(宇都宮市教育センターだより) http://www.ueis.ed.jp/pdf/dayori_48.pdf
河村茂雄都留文科大学教授の開発した「Q−U調査」(河村教授ゼミHP) http://www.tsuru.ac.jp/~kawazemi/Q-Upage.htm 佐世保の殺害事件等の影響で、Q−Uへの問い合わせが全国の教育委員会から再び殺到しているという
センター要覧−データ・予算等1.2M 関係者向け http://himeji.g-serve.net/xoops/uploads/photos/40.pdf
視察後、車で宇都宮駅まで送って頂く。事務局の方が昼食に「餃子」を勧めて下さった。市を挙げて宇都宮市を「餃子の街」としてアピールしているという。この運動も、市民1人当たりの餃子の消費量が全国一というところから出発したらしい。アドバイスの通り、駅ビルの北京。餃子を食べる。美味。その後、お土産屋さんで餃子おにぎり。これは微妙…。その後、東北新幹線のやまびこ、東海道・山陽新幹線のぞみで姫路。播但線で帰宅。 |