V 新たな兵庫教育の推進に向けて


1 基礎学力の定着と個性を生かす教育の推進

(1) 発達段階に応じた教育環境づくりの推進

 少人数学級の着実な拡充などにより、基礎・基本の学力の確実な定着や一人ひとりの個性・能力を伸ばすなど、児童生徒の発達段階に応じた教育環境づくりを推進すること。特別支援教育についても、LD、ADHD、高機能自閉症等を含めた障害のある児童生徒一人ひとりのニーズに応じた教育を推進すること。

(具体的申し入れ事項)
  • 義務教育段階における基本的な生活習慣の定着や基礎学力の着実な習得を図るため、教職員等の定員増を図り、35人学級編制を推進するとともに、小学校高学年における「兵庫型教科担任制」を検証し、より効果的な展開を図ること。【当局からの回答】
  • 県単独教職員については、行財政改革のための定員減は考えるべきではなく、むしろ増員を図ること。【当局からの回答】
  • 子どもたちの学ぶ環境について検証し、基礎的、基本的な学力向上や探求心を育て、創造性、個性を伸ばす教育環境づくりを推進すること。【当局からの回答】
  • 障害の重度化や多様化、後期中等教育の充実に対応するため、規模過大校への対応の優先など地域の実情に配慮し、計画的に特別支援学校の整備を推進すること。【当局からの回答】
  • 特別支援学校の生徒の卒業後の自立に向けては、職業教育の充実をはじめ、生徒の障害の状態に応じた適切な指導を行うこと。【当局からの回答】
  • 子どもの活字離れを防ぎ、また豊かな心や想像力を育むため、学校や地域、家庭が協力して読書活動を推進するとともに、図書館活用教育については、県内すべての小・中学校の現状把握・検証を進め、専任の司書教諭の配置などにより充実を図ること。【当局からの回答】

(2) 特色ある高等学校教育の展開

 個性を尊重する多様で柔軟な高等学校教育を推進するため、学校の創意工夫を生かした特色ある取り組みや、学びたいことが学べる魅力ある学校づくりのための施策を積極的に展開し、特に、定時制・通信制高校については、多様化する生徒の学習環境に対応した高校づくりを進めること。

(具体的申し入れ事項)
  • 県立高等学校教育改革第二次実施計画に基づき、魅力ある高校づくりを推進するため、単位制の導入、総合学科や特色ある専門学科の設置などが十分に効果を発揮するよう、これまでの取り組みを検証し、適切な教職員や外部講師の配置、施設等の整備の充実を図ること。【当局からの回答】
  • 高校生地域貢献事業「トライやる・ワーク」については、これまでの評価を踏まえ、地域安全活動や社会教育推進活動などへ一層幅広い展開を図るとともに、持続的なボランティア活動につながるように配意すること。【当局からの回答】

(3) 県立大学の自律的かつ効率的な運営

  県立大学については、全庁的な行革への取り組みや、少子化という時代背景の中で、地域社会への還元、社会貢献、県政への連携といった視点に立ち、県立大学のあるべき姿を確認しながら自律的かつ効率的な運営に努めること。

(具体的申し入れ事項)
  • 専門性の高い管理栄養士の養成、地域ケア開発研究所を拠点としたネットワークの早期構築による看護と介護の連携推進、中型放射光施設ニュースバルの産業利用など、総合大学としての利点を生かし、広い分野で地域への貢献に積極的に取り組むこと。【当局からの回答】
  • 社会ニーズに対応した特色ある教育研究をより一層進めるために、阪神・淡路大震災の教訓に学ぶ防災をテーマとする学科・コースの設置を検討すること。【当局からの回答】


2 豊かな人間性を育む教育の推進

(1) 「生きる力」を育む教育の充実

 子どもたち一人ひとりの豊かな心を育み、主体的に生きる力を育成するため、これまでから取り組んできた「自然学校」や「トライやる・ウィーク」等の成果を踏まえ、引き続き、児童生徒の発達段階に応じた体験教育を推進するとともに、このために必要な教職員の資質向上に向けた各種施策を実施すること。
 また、いじめや不登校などの問題行動等に適切に対応できるよう、県立但馬やまびこの郷での取り組みをはじめ、心のケアが必要な子どもたちに対する支援システム並びに人的支援を充実させること。

(具体的申し入れ事項)
  • 復興担当(心のケア担当)教員制度で培った人的資源とそのノウハウを生かし、カウンセリングマインドを持った生徒指導体制づくりなど、子どもたちの心を支える取り組みを充実・強化するとともに、小学校へのカウンセラーの配置を拡充すること。【当局からの回答】

(2) 学校における総合的な食育の推進

 食育に係る学校の指導体制や子どもへの指導内容の充実強化に努めるとともに、米飯給食の拡大や地元産農林水産物の積極的な導入を進めるほか、公立中学校への学校給食の導入推進について調査・検討を行うなど、学校給食の充実を図り、学校での総合的な食育を推進すること。【当局からの回答】


3 家庭・地域社会教育の充実

(1) 学校・家庭・地域が一体となった教育の推進

 子どもたちを健やかにたくましく育むため、地域や家庭との協働のもと、自然体験、社会体験、芸術体験、ボランティア活動などの体験学習の機会を充実するとともに、情報・環境・福祉・人権・多文化共生など、時代の要請に対応した教育を推進すること。

(具体的申し入れ事項)
  • 学校施設の整備・活用等により、小・中学生が放課後安全に過ごせる子どもの居場所づくりをより一層推進するとともに、学童保育の充実にも努めること。【当局からの回答】
  • オープンスクールを推進する中で、地域住民との連携を深めるとともに、学校の安全確保に努めること。さらに、防犯の専門家、警察OB等の地域学校安全指導員を配置するほか、学校安全ボランティアをスクールガードとして活用するなど、学校の安全体制の整備を進めること。【当局からの回答】
  • 「ひょうごっ子いじめ相談24時間ホットライン」での相談事業と子ども家庭センターとの連携を強化し、いじめ対策の実効性の向上に努めること。またインターネット等を利用したいじめへの適切な対応策を講じること。【当局からの回答】
  • 不登校児童・生徒の解消については、相談・指導体制、児童生徒・保護者支援、体験活動の充実などを含む再登校プログラムを策定し、総合的な取り組みによって着実に推進していくこと。また、中学卒業者や高校中退者等に対する進路等の相談体制を充実すること。【当局からの回答】
  • 緊密化・複雑化が進む国際社会の状況を踏まえ、相互に信頼・尊重しあえる児童生徒の育成を図るため、国際理解教育をより積極的に推進すること。【当局からの回答】


4 学校教育の環境の整備

(1) 教育を受ける機会均等の保障

 家庭の経済力で子供の教育格差が生じることを防ぐため、高校授業料無償化の導入も踏まえて、私立学校を含めた公教育における公費負担を増やすことによって教育を受ける機会の平等を図ること。
 また、県立高校の統合再編に当たっては、通学の利便性等を十分に考慮し、教育を受ける機会が損なわれることのないよう慎重に対応すること。

(具体的申し入れ事項)
  • 定時制高校については、現在の厳しい社会情勢の中、公立学校である定時制高校が受け持つ意義・役割を十分に踏まえ、占有スペースの確保に向けた施設の拡充などを実施するとともに、多様化する生徒のニーズに対応した魅力ある高校づくりを進めること。【当局からの回答】
  • 阪神地域において新たな多部制単位制高校とともに設置される2つの分教室の取り扱いついては、今後の社会情勢や現場実態を勘案し、柔軟に対応すること。【当局からの回答】

(2) 安全・安心な学校づくりの推進

 県立学校施設における老朽化対策や耐震化の推進と合わせて、市町立学校施設の耐震化促進を支援するとともに、各学校独自の危機管理マニュアルを活用した防犯訓練・防犯教室や学校、家庭、地域が連携した安全マップづくりなど、安全・安心な学校づくりに地域全体で取り組むこと。

(具体的申し入れ事項)
  • 学校の施設・設備については、災害発生時の児童生徒の安全を確保するとともに、応急的な避難所としての役割を果たすため、計画的に耐震化や老朽化対策を進めること。【当局からの回答】

(3) 教職員の勤務環境の改善

 子どもたちに対する学習指導や生活指導をはじめ、研修、保護者や地域住民との関係づくりなど、多忙化している教職員の勤務実態を踏まえ、業務や研修のあり方を見直すなど勤務環境の改善を図ること。

(具体的申し入れ事項)
  • モンスターペアレントへの対応策を強化し、現場の教職員に負担をかけないよう、教育委員会が責任を持って対応すること。【当局からの回答】


5 芸術文化・スポーツの振興

(1) 芸術・文化の振興

  地域の特色を生かしつつ、地域ぐるみで伝統文化や伝統芸能などを継承するとともに、若手芸術家をはじめとした芸術・文化の担い手を育成し、兵庫の芸術・文化の創造・発信に努めること。
 また、県立芸術文化センター、県立美術館、兵庫陶芸美術館、県立考古博物館、県立歴史博物館、県立人と自然の博物館などでの多彩な公演や展示などを通じて、県民が芸術・文化に触れる機会の拡充に努めるほか、地域での多様な活動の場づくりを進め、兵庫ならではの豊かな文化の広がりと定着に取り組むこと。

(具体的申し入れ事項)
  • 担い手の育成については、芸術文化センター事業で地元人材の活用、芸術文化センター管弦楽団によるアマチュア指導、兵庫陶芸美術館における若手陶芸作家や陶芸作家志望者等の人材養成事業などを積極的に展開すること。【当局からの回答】

(2) スポーツの振興

 のじぎく兵庫国体・のじぎく兵庫大会の開催成果を継承・発展させ、地域スポーツの定着、生涯スポーツの振興などスポーツ活動のすそ野の拡大と定着に努めるとともに、総合型地域スポーツクラブの永続的な運営のための支援策を国に働きかけるなど、生涯スポーツ社会の実現に向けた取り組みを進めること。【当局からの回答】


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