U 健康福祉社会の実現に向けて


1 健康づくり対策の推進・医療体制の充実

(1) 県民の健康づくりの推進

 食生活の改善や運動不足・ストレスの解消など、県民一人ひとりによる生活習慣の改善や社会全体での健康づくりを支援し、県民の健康づくり運動の定着を図るとともに、歯の健康づくりや受動喫煙の防止、化学物質過敏症対策、心の健康づくりの体系的な取り組みを行うこと。
 また、特定健康診査(メタボリックシンドローム健診)・特定保健指導の円滑な実施に向け、医療保険者や市町等と連携し、健診受診率及び保健指導実施率の向上を図ること。

(具体的申し入れ事項)
  • 歯の健康づくりについては、歯周疾患の予防を基本に、各健康福祉事務所等を窓口として歯科衛生士の能力が十分に発揮される体制の整備に努めること。【当局からの回答】
  • 生活習慣病対策については、医療・保健・福祉の各分野が、情報を共有し、さらなる連携強化を図りながら施策を展開すること。特に特定健康診査については、健診従事者の養成や医師会との連携など、実施体制を整備するとともに、市町や国保組合への指導を充実すること。【当局からの回答】

(2) 地域医療の確保

 地域の医療連携を推進するため、2次保健医療圏域を単位とした医療機関の適切な役割分担、相互連携を進めるとともに、かかりつけ医の普及定着を基本に、医療機関が効率的に機能するシステムの構築に取り組むこと。
 特に、小児科、産科、麻酔科などの診療科偏在及び地域偏在の解消を図るため、就労環境の整備やへき地医の養成などに積極的に取り組むとともに、産科医の負担を軽減するため、助産師の確保対策の充実を図ること。

(具体的申し入れ事項)
  • 県内医療機関における小児科医確保への支援や地域医療体制における輪番制の確立、小児救急医療電話相談体制の充実等により、小児救急医療をはじめ小児医療の充実を図ること。特に阪神北地域で実施され、効果を上げている小児急病センターの全県的な拡大を図るため、より一層市町や医師会との協議を進めること。【当局からの回答】

(3) 疾病対策の推進

 がん対策については、「がん診療連携拠点病院」の機能を強化し、地域医療機関等との医療連携を図り、がん医療の質の均てん化を推進するとともに、がん検診の受診率向上や早期発見・早期治療の推進をはじめ、情報提供と相談支援体制の充実など、患者の立場に立った総合的な対策に取り組むこと。
 また、SARS、新型インフルエンザ等の感染症やアレルギー性疾患への対策については、その充実を図るとともに、難病患者対策についても、課題と対応策等を調査・検討し、対策の充実強化を引き続き国に働きかけていくこと。
 さらに、社会環境の変化に伴って急増している各種精神疾患に対しても、十分な対策に取り組むこと。

(具体的申し入れ事項)
  • 肝がん対策については、肝炎ウイルス検診の受診率向上を図るとともに、肝疾患診療連携拠点病院と専門医療機関・協力医療機関、地域のかかりつけ医との連携による治療体制の強化を推進すること。【当局からの回答】
  • 新型インフルエンザ対策については、ワクチンの円滑な接種や抗インフルエンザウイルス薬等の適切な備蓄、発熱外来の運営、パンデミック時の病床・医療機能の確保に向けて医療機関との調整を一層進めるなど、万全の対策を講じること。【当局からの回答】
  • 音楽療法・園芸療法について、療法の効果に関する研究への支援の拡充や統一的な認定制度確立に向けた国への働きかけ等により、技術水準の向上と療法の普及促進を図ること。【当局からの回答】

(4) 県立病院の円滑な運営

 医療ニーズの高度化・多様化、医療技術の進歩に対応し、県立病院の役割である高度専門・特殊医療を中心とした政策医療の提供等、より良質な医療を提供できるよう、診療機能の高度化・効率化に努めるとともに、各病院が適切な公的負担の下で自立した経営が確保できるよう、医療資源の有効活用や職員の経営意識の高揚を図り、計画的な経営改善に取り組むこと。また、各病院における経営改善への取り組み状況を積極的に開示し、そして医療サービスの見直しを行う場合は、県民への適切な説明責任を果たすこと。

(具体的申し入れ事項)
  • より的確な医療が受けられるよう、患者の治療方針を複数診療科の医師等が決定するなど、複数の医師が診療に協力するグループ診療等のチーム医療体制を充実すること。【当局からの回答】
  • 医療事故ゼロをめざし、事故防止に向けた取り組みを強化すること。【当局からの回答】
  • 不育症(妊娠しても流産、早産してしまうケース)の専門外来を設置するなど、成育医療に対応する診療機能を充実すること。【当局からの回答】
  • 県立がんセンターについては、がん医療の専門病院として、存命率の向上をはじめ、診療機能のさらなる高度化を図るとともに、全県のがん診療連携拠点病院として、高度専門医療、研修事業、相談事業等の運営機能を充実すること。【当局からの回答】
  • 粒子線によるがん治療については、早期の保険適用を強く国へ働きかけること。【当局からの回答】
  • 高齢化社会においてターミナルケアへの注目が高まる中、看護師養成課程で学んだ「看取りケア」が県立病院での実践に生かされるよう県立大学看護学部との連携を図ること。【当局からの回答】
  • 給与の改善、女性医師の働きやすい職場環境づくりや臨床研修制度の内容充実など、医師確保対策を強化すること。【当局からの回答】
  • 尼崎病院と塚口病院の統合再編については、県立病院本来の役割を再確認し、地元尼崎市との役割分担を明確にした上で、外部委員会による検討報告も踏まえ、関係者や地域住民の理解を得て進めること。【当局からの回答】

(5) 食の安全確保と食育の推進

 「食の安全安心と食育に関する条例」に基づく食の安全安心推進計画や食育推進計画に沿って、食の安全安心の確保と食育に関する諸施策を総合的かつ計画的に展開すること。
 特に、食の安全・安心の確保に向けた生産者・事業者の自主的な取り組みなど、食の品質管理の強化を推進するとともに、食品表示並びに輸入食材に対する管理・検査体制の充実を図り、また食品情報に関する理解を促進すること。
 また、食を通じ健康な生活、豊かな人間性を養う「食育」を推進するため、地域の伝統的な食文化や農業への理解を深める取り組みを進めるとともに、生涯にわたって健全な食習慣が維持されるよう、若い世代の食生活改善対策の一層の推進を図るほか、地域独自の豊かな食生活を守り継承する「スローフード」運動に取り組むこと。

(具体的申し入れ事項)
  • HACCP手法やトレーサビリティシステムの導入促進、ポジティブリスト制の施行に対応した残留農薬等への検査体制の強化、食品営業施設等への監視の強化、未審査の遺伝子組み換え食品の流通防止体制の強化等を推進すること。【当局からの回答】
  • すべての遺伝子組み換え食品や、クローン動物由来食品の表示の義務化について、国へ働きかけること。【当局からの回答】
  • 食と農の関わりについての認識の向上を図りつつ、地域に根ざした「食育」を進めるとともに、学校、保育所、家庭、地域などあらゆる場の活用による総合的・計画的な取り組みを推進すること。【当局からの回答】
  • 食育推進計画が未策定の市町に対しては、策定に向けた適切な指導を行うこと。【当局からの回答】
  • 「スローフード」運動については、特に若い世代を対象に、いずみ会や地域の中で活動している市民団体などの協力を得ながら、多様な機会を通じて展開すること。【当局からの回答】


2 介護・高齢者福祉の充実

(1) 充実した高齢者医療制度の確立

 本格的な高齢社会の到来に備え、老後における健康の保持と適切な医療の確保のための施策の充実を図ること。特に高齢者医療制度については、現行制度の廃止・新制度への移行においては、被保険者の利用に支障を来さないよう、地方自治体として適切な対応を行うこと。【当局からの回答】

(2) 介護サービス基盤の充実

 地域包括ケアの中核的機能を担う地域包括支援センターの機能強化や地域医療と介護事業の連携の強化などにより、地域ケアの総合的な推進を図るとともに、介護予防サービスについては、地域やサービス受給者に最も効果的に提供できるよう、市町への支援を強化すること。
 また、介護職員の処遇改善やキャリアアップへの支援等により、介護人材を確保するとともに、また多様なニーズに対応した介護施設の整備を進めることによって、介護サービス提供体制の充実を推進すること。特に、要介護者が地域に住み続けられるよう、地域密着型の小規模介護施設の整備を積極的に推進すること。
 さらに、介護サービスの質的向上を図るため、事業者への適切な指導とともに、介護サービス情報の公表制度の普及・定着に努めること。

(具体的申し入れ事項)
  • いわゆる「介護難民」や「医療難民」の発生を防止するため、療養型病床の廃止等に際しては、地域介護・福祉空間整備等交付金などを活用して老人保健施設等への転換等を支援すること。【当局からの回答】
  • 介護予防サービスについては、地域間格差の発生を防止するとともに、サービス受給者にとって最も効果的な制度となるよう、職員への研修の充実等により、市町への支援、事業者への指導等を強化すること。【当局からの回答】
  • 介護保険に伴う住宅改修トラブルについては、福祉、建築、消費者行政等関連部局との連携による情報の共有や、市町職員や訪問介護員の研修の充実等を図り、発生防止に努めること。【当局からの回答】
  • 公営住宅等の空き部屋等の小規模・多機能ホームとしての活用などを検討するとともに、専門的なノウハウを持つ民間企業やNPOと協働し、公営住宅や民間住宅におけるグループホーム等の設置や、自治体保有の土地を利用したPFI方式によるケアハウスの整備に取り組むこと。【当局からの回答】
  • 介護サービスの公表制度として、介護保険サービスの内容を効率的・効果的にチェックできるシステムが、介護保険サービスの利用者や家族にとって利用しやすいものとなるよう充実に努めること。【当局からの回答】
  • 研修等の実施によって生活援助員(LSA)の資質の向上に努めるとともに、その増員に向け市町を支援すること。【当局からの回答】
  • 市町による成年後見制度利用支援事業や社会福祉協議会による福祉サービス利用援助事業の積極的な展開を図ること。【当局からの回答】

(3) 認知症対策の推進

 認知症高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けるために、介護サービスの充実を図るとともに、地域住民の認知症に対する理解促進に努め、認知症サポーターの養成を推進するなど、認知症高齢者やその家族に対する地域ぐるみの見守り体制の整備を支援すること。
 また、現行の医療・福祉サービスでは十分な対応が困難である若年認知症についても、認知症者を支援するため、まずは職場や地域社会における理解促進を図ること。

(具体的申し入れ事項)
  • 認知症対策を推進するため、「認知症疾患医療センター」を老人福祉圏域ごとに速やかに配置するとともに、「認知症サポート医」の増員やかかりつけ医や診療機関の多くに「物忘れ外来」を設置すること。【当局からの回答】


3 障がい者福祉の充実

(1) 障がい者福祉サービス基盤の確保

 障がい者自立支援サービスの提供主体である市町の体制整備を支援し、人材養成や相談支援体制の整備等、サービス基盤の確保に取り組むとともに、障がい者福祉制度の抜本的な見直しにおいては、サービス利用に支障を来さないよう、地方自治体として適切な対応を行うこと。

(具体的申し入れ事項)
  • 障害者自立支援法の廃止・新法制定も見据え、障がい者の視点に立った制度運営に向け、市町との連携のもと、低所得者の負担低減に取り組むとともに、障がい者サービスの基盤充実、人材育成、就労支援など、障がい者が自立できる環境整備を一層推進すること。とりわけ手話通訳派遣事業については、障がい者が円滑に利用できるよう手話通訳者の養成に努めるとともに、派遣事業の拡充を事業実施者である市町に働きかけること。【当局からの回答】
  • 障がい者の居宅生活の推進に向け、障がい者に創作的活動及び生産活動の機会や社会との交流の場を提供する地域活動支援センター並びに10人未満の小規模作業所の運営を支援するとともに、小規模作業所等から地域活動支援センターに円滑に移行できるよう各種支援を充実すること。また、障がい者ヘルパーを積極的に養成すること。【当局からの回答】
  • 訪問型歩行訓練士の派遣事業については、視覚障がい者の社会参加と精神的自立をさらに促進するため、事業の拡充に努めること。【当局からの回答】
  • 県立聴覚障害者情報センターについて、聴覚障がい者への周知や運営について、十分に機能するよう配慮すること。【当局からの回答】

(2) 就労・社会参加支援の充実

 障がい者の自立に向けて、就労、またスポーツや芸術文化を通じた社会参加を支援すること。特に、就労については、福祉的就労から一般就労への移行に対応するため、多様な就業形態の実現と就業の場の拡大等、企業等との連携を通じた取り組みを推進するとともに、県の物品調達等における障がい者就労支援事業所への優先発注等により、障がい者の就労の場の拡大を図ること。【当局からの回答】


4 生活困窮者支援の充実

(1) ホームレス自立支援の推進

 ホームレスの自立の支援等については、ホームレスへの巡回相談の結果等も踏まえ、進捗状況や効果を的確に検証しながら、兵庫労働局や市町、民間支援団体等とも連携し、保健・医療の確保、安定した居住場所の確保、就労支援の充実など自立に向けた総合的な支援を展開し、実効性の高い取り組みとすること。【当局からの回答】


5 少子化対策・子育て支援の充実

(1) 少子化対策の総合的な推進

 ワークライフバランス社会づくりの視点から、女性も男性も働きながら子育てすることが評価される社会構造への変革を図り、21世紀の成熟社会における子育て・子どもの教育を担う家庭像を構築するなど、総合的に少子化対策を展開すること。
 特に、少子化対策は、企業等におけるワークライフバランスの取り組みに左右されるため、連合兵庫・兵庫県経営者協会・兵庫県による「仕事と生活の調和と子育て支援に関する三者合意」が十分機能するよう、「ひょうご仕事と生活センター」との連携にもとに、ワークライフバランスの実効ある施策展開に力点を置き、労働施策と連携して推進すること。

(具体的申し入れ事項)
  • 女性の就業に関する総合相談窓口の拡充や就業の能力を向上する機会の提供に努めるほか、中小企業等の次世代育成支援行動計画の策定促進や女性の再就職制度の充実、仕事と子育ての両立をめざす企業へのアドバイザーの派遣などを通じて、企業の子育て力アップを積極的に支援し、女性が働き続けられる社会構造への変革を図ること。【当局からの回答】

(2) 子育て支援の充実・青少年健全育成の推進

 保育所の待機児童解消・保育所サービスの地域格差解消等に向けた取り組みを進めるとともに、「認定こども園」の設置促進、認可外保育施設の認可保育所への転換、病児保育・24時間保育などの保育所機能の強化や学童保育の拡大等、保育の質の確保・向上に努めるほか、教育や医療も含めた子育て全般に係る経済的支援を拡充するなど、福祉対策から少子化対策への転換を図りつつ、子育て環境の充実を図ること。
 また、保育ママ制度の導入・充実など、地域全体で親子の「学び」や「育ち」を支える環境づくりを進めるとともに、青少年を守り育てる県民スクラム運動を充実し、青少年の健全育成の推進を図ること。

(具体的申し入れ事項)
  • 駅前や商店街等への保育所の新増設、定員の増や弾力化、分園の設置、認定こども園の設置の促進などに関して市町を積極的に支援し、保育所待機児童の解消に努めるとともに、医師会と連携した病児保育の仕組みづくり、24時間保育の確立、さらには「ひょうご放課後プラン事業」の充実等を通じて、保育の質の向上にも努めること。【当局からの回答】
  • 保育料及び乳幼児医療に係る自己負担については、受益と負担のバランスに考慮しつつも、少子化対策の観点から支援策の充実に努めること。【当局からの回答】
  • 認定こども園については、保護者の就業の有無に関わらず、すべての子どもが受け入れられ、また職員配置をはじめ認定基準に基づき適正に運営されるよう、施設等への指導を徹底するとともに、十分な情報提供等により保護者が的確に選択できる仕組みを構築するほか、真の幼保一元化の実現に向けて国に対して制度改革・改善を働きかけること。【当局からの回答】
  • 家庭・地域における教育力を高めるため、「まちの子育て広場」など地域一体となった子育てや、「子育て応援ネット」など地域における実践的な家庭応援活動等を引き続き積極的に支援すること。【当局からの回答】
  • 不登校やひきこもり、いじめなど、青少年をとりまく課題の深刻化に適切に対応し、家族を含め、青少年各個に応じた課題解決への支援体制を強化すること。また、青少年愛護活動推進協力員等を中心に、地域住民、学校、事業者、行政が連携し、良好な社会環境づくりを推進するとともに、犯罪等から青少年を守る取り組みを積極的に展開すること。【当局からの回答】


6 消費者保護の推進

(1) 消費者行政推進体制の整備

 関係部局間の連絡調整が確実に行われるよう庁内の体制整備を行うとともに、全市町での消費生活センター設置をめざし、消費生活相談員の養成や、市町のセンター共同設置への支援など、県として主導的な役割を果たすこと。【当局からの回答】

(2) 消費者への情報提供・相談対応の充実

 訪問販売等に関する消費者トラブルや、架空・不当請求等の不法行為による消費者被害の未然防止や被害拡大防止のため、消費者トラブル・消費者被害情報の収集と迅速な情報提供等に努めるとともに、生活科学センターにおける相談能力、相談体制の充実を図ること。【当局からの回答】


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