県議会決算特別委員会
平成21年10月21日 竹内質問と答弁について
決算特別委員会の質問と答弁をまとめましたので公開します。
◆議事録の公式速報版も公開されるなど少しずつ公開までのスピードが速くなっています。
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質問要旨(クリックすると質問の該当箇所へ飛びます) 質問通告-前日
質問・答弁全文
民主党・県民連合、姫路市選出の竹内英明でございます。よろしくお願いします。
項目 |
質問・答弁 |
1.県立高校について (1)進学希望と入学試験の採点ミスについて |
○(竹内英明 委員) 平成20年度決算について、通告に基づいて質問をさせていただきたいと思う。
まず、県立高校について伺う。第1として、進学希望と入学試験の採点ミスについてである。来春の県内公立高校への進学希望は、9月1日現在、国公立中学卒業予定者の4万9,722人のうち4万8,596人と、97.4%、1975年以来、記録が残っている中では最高の比率となったと聞いている。不景気の影響、また授業料の無料化、こんなことも関係してるのかもしれない。いずれにしても県立高校に対して非常に期待が大きいということ、これは事実だというふうに思う。
その中で、受験をして入っていただくわけであるが、入試の採点ミスというものが、2004年から2008年度、この県立高校入試の採点チェックの結果、本来合格であったのに不合格だったという方も1人いらっしゃった。さまざまな問題点があった。例えば試験の当日に採点する規定、これは過去の不正入試の対策によって導入された、その対策であったが、それが逆に裏目に出てしまった、こういうことの対策として、採点に3日かけるとか、また、統一マニュアルというのも、これを年内にまとめるなどの対応、実は質問しようと思っていたが、先週の16日に、3,527人の現場の教員の方を含む処分とあわせて発表された。いろいろな内容を私、見させていただいたが、例えば本来合格だった方に対する対応であるとか、例えば教育長のコメントとして、「受験生及びご家族の方には深くおわび申し上げ、誠意を持って対応したい。」このような大西教育長のコメントも出ていた。マニュアル等も今後のいろんな対策を踏まえてつくられると思うので、私はこれに期待をして、もう金曜日に発表された内容であるから、きょうは質問をしない。
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学力検査における採点・集計ミス再発防止検討委員会まとめについて(県教育委員会)
学力検査における採点・集計ミスの再発防止策について(県教育委員会)
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(2)複数志願選抜にかかる第一志望加算点の合理性について |
続いて2について、これも受験にかかわることであるが、複数志願選抜に係る第1志望加算点の合理性についてお伺いする。
この県立高校の受験に際して、複数の学校を志願し、その第1志望の学校の評点に対して一定の加算点を加えるという制度である。聞いてみると、これは全国でも兵庫県だけで実施している制度ということであるが、これは第1志望に入りやすくするというのが、この導入の大前提である。加点が大きいほど第1志望に入りやすいということであるが、しかし、調べてみると、これ地域ごとに格差が設定をされている、例えば神戸では同じ市内でも学区によって加点が違う、これは少しわかりにくい。また、第2志望入学者と第1志望の入学者、同じ高校に入った場合に、その得点差というのは、第1志望の方は多少のげたを履いてるわけであるから、実力差として入学後一定の格差が存在する、これを認める制度でもある。
そこで、まず伺いたいのは、もともとこの複数選抜導入前に、単独選抜であった姫路・福崎学区、神戸第三学区、こういうところでは、複数志願選抜を導入しても、第2志望を実際に書く生徒の比率が低い。つまり、何としても第1志望に入りたいという方の比率が高い、このように聞いたことがある。また一方で尼崎学区、明石学区のように、もともと総合選抜であった学区では、第2志望を書く生徒の比率が高い、どうしても第1志望の学校に入りたいという生徒の比率にやはりもともとの制度の違いによって格差があるのかなというふうに思うわけである。
そこで、事実確認であるが、本当に旧単独選抜と、旧総合選抜の学区の間に第2志望を書くか書かないかの差があるのか、受験生の願書のデータで確認をしておきたいと思う。直近の姫路・福崎学区、神戸第三学区、尼崎学区、明石学区の第2希望の高校志願率はどうなっているのか、教えていただきたいと思う。
○(高見高校教育課長) この春に実施した平成21年度入学者選抜の複数志願選抜における第2志望校を希望した受験生の割合であるが、姫路・福崎学区が68.0%、神戸第三学区が69.4%、これに比べて、旧の総合選抜学区である尼崎学区が94.5%、明石学区が96.9%であり、総合選抜からの学区の方が、単独選抜からの学区より高い割合となっている。
○(竹内英明 委員) 想像以上に高い格差というか、やっぱり第1志望に入りたいという比率があるなというふうに感じたわけであるが、私も姫路・福崎学区出身であるが、この複数選抜、少し前に導入された制度であるが、なかなかおもしろい制度だなと思って、最初はこれはどういったものなのかなと思って、いろいろ調べてみたり、聞いたりしたわけであるが、今の姫路・福崎学区とか、神戸第三学区というのは、第1志望には25点加点をする、一方で尼崎や明石では15点の加点である、こんなことも関係あるのかなというふうに思うわけであるが、いずれにしても、県の教育委員会として、第1志望の加算点に学区ごとの地域格差、北播学区は35点、これが最大、明石とか尼崎、15点というのが最低で、県内で20点の差があるわけである、この第1志望加算点の地域差、この合理性について説明をいただきたいと思う。
○(高見高校教育課長) 第1志望を優先するための第1志望加算点を決めるに当たっては、各学区内の高校間の受験者平均点の差に注目をする必要があり、差が小さければ小さな加算点、差が大きければ大きな加算点を設定している。
具体的に申し上げると、複数志願選抜の実施校数が多ければ、学校間の平均点の差は小さくなる。校数が少なければ差が大きくなるということである。また、もう一つの要素として、導入前の制度が単独選抜の学区の場合は、平均点の差は比較的大きく、総合選抜学区の場合は、学校間の学力検査の得点差は小さい。このような実施校数と導入前に単独選抜であったか、あるいは総合選抜であったかの関係を考慮することによって、加算点もそれぞれの学区の状況に合った点数となっている。
選抜制度の検証から、加算点は有効に機能していると考えているが、今後とも毎年検証を行っていきたいと考えている。
○(竹内英明 委員) 本当に最初にこの制度を聞いたときは、私、本当にわからなかった、なぜこの格差があるのかな。しかし、この質問をするに当たっていろいろやりとりをしたり、今の答弁を聞くと、これは実はかなり合理的な制度だなということで納得した。しかし、保護者や新しい受験をする生徒にとってみれば、やはりきちんと説明をするということが大事であるから、説明の機会を十分いただいてやっていただきたいというふうに思う。
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・複数志願選抜及び特色選抜の導入(県立高等学校教育改革)
H14年度 神戸第三学区、H17年度 姫路・福崎学区、H18年度 加印学区、H19年度 北播学区、H20年度 尼崎学区、明石学区、H21年度 西宮学区、伊丹学区、H22年度 神戸第一・芦屋学区、神戸第二学区、宝塚学区、H23年度 西播磨学区
複数志願選抜に係る第1志望加算点
35点 北播学区
30点 神戸第一・芦屋学区、神戸第二学区、
25点 神戸第三学区、加印学区、姫路・福崎学区、
20点 伊丹学区、宝塚学区
15点 尼崎学区 西宮学区、明石学区、
H22年度導入予定も含む。※西播学区はH23年度導入予定(加算未定22.3決定予定)
(新入生に5月アンケート)新入生満足度85%前後。導入前とほとんど変わらない。
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(3)授業料無料化と県財政健全化について |
次に移る。次は、県立高校の授業料の無料化と県の財政の健全化についてである。先日、読売新聞の10月11日付の川端文部科学大臣のインタビューを見ていると、「この授業料の実質無償化が実現すれば、都道府県等によって行われている授業料の減免措置が不要となる。そのために都道府県で別の形で支援策を継続してくれればありがたい。」というふうにあった。これはお金の問題だけではなくて、例えばいろいろ授業料徴収することの事務であるとか、また、それに関係する事務もある、それも軽くなるということであるから、制度としては大きな変更になるのかというふうに思うが、昨20年度決算の中で、例えば授業料の全額免除、また半額免除を受けた人は、全日制高校で1万1,985人、定時制で1,294人、通信制で43人の計1万3,322人、県立高校全体の約14%、8人に1人ということで、その減免額というのは約15億円だと、こういうのも神戸新聞の10月3日の報道であった。
この制度を導入したとするならば、これはもともと家計への直接給付ということで検討されており、政務調査会の中で、私、この直接給付には問題があるということで議論したのを覚えているが、この間接給付に変わった、私はこれはいいことだと思うが、この制度で、例えば今申し上げた15億円そのものが県の財源になって、それを活用して何かできれば、それはそれで一つの考え方かもしれないが、やはり国というのはそんなに簡単にお金はくれない、これは地方交付税の措置、制度そのものが変わる可能性があるが、こうしたものが全額この件で使われるわけではないようである。
いずれにしても、本県の場合は、いわゆる減免率が14%と、交付税の算定に当たっても、これが全額入ってくるとなると、地方交付税の交付団体の中では少し得をするというか、多少の財源は出るかなというふうに思うわけであるが、私は、これは今まで県民の皆さんがそういう減免額を補てんしてきた部分であり、また、将来の私は財政の健全化に資するために、そういった差額を利用して、また来年度の予算要求をするとか、そういったことは控えていただきたいなと、本県の財政、非常に厳しいということを別の決算の審議の中で私は申し上げたので、その点に留意をして、これ制度がどうなるか、ちょっとわからないのであるが、お願いしたいと思う。これはもう要望である。
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2.高等学校奨学資金貸与事業について (1)県貸与分の返還における滞納状況について |
それで、次、大きな2として、高等学校奨学資金の貸与事業についてお伺いする。県貸与分の返還における滞納状況についてとしているが、大学生に奨学金を貸与しているのは、独立行政法人日本学生支援機構、旧日本育英会である。私も多額の奨学金をここから借りて、今も実は返済中であるが、先日、報道で、2,253億円もの未回収金が生じているということが会計検査院の検査で明らかになった、このような報道があった。そのうち約130億円が、学生のずさんな住所管理、学生さんが例えば就職をして引っ越した、それを追いかけない、本当に信じられないことで130億円が今、未収金になってるということであるが、本当に自分のお金だったら追いかけるのが、人の金だから追いかけない、とんでもない話だというふうに思うわけであるが、地方でも、例えば大阪府、これは大阪府で財団法人大阪府育英会、会長が橋下 徹知事であるが、ここは非常に多くのお金、滞納額にすると約50億円という滞納額があって、それではいかんということで滞納対策、例えば滞納が始まって2年後だった法的措置の予告を9ヵ月後というものに大幅に短縮をしたり、債権回収の経験を持つ元金融マンらを雇って、支払い督促とか強制執行、こういった申し立てに当たらせた。3年間で8億5,000万円の回収増をめざしているというふうに報道されていたが、これはやはり私は本当に払えない人というのは免除制度というのがある。
しかしながら、本当は払えるんだけれども、隠れたりする、逃げたりする、こういった悪質な滞納が存在してること自体が非常に不公平だというふうに考えているので、借りたら返すという基本で、本県も実施をしていただきたいのであるが、兵庫県の場合は、平成14年度からこの高等学校奨学資金貸与事業を始めて、平成17年度から日本学生支援機構の高校奨学制度の移管を受け、そして平成19年度からは別の社団法人にその事業を委託するまで、制度開始以来、5,191人に貸付を実施してきたと伺っている。貸与総額は39億3,700万円余り、これも聞いている。
そのうち現在もまだ貸与中の方、もしくは死亡や後遺障害などの理由で返還が免除された方を除く5,115人が返還義務者である。そのうち大学等に進学している人、また仕事を求めて職探しをしている、こういった理由で返還を猶予している936人を除けば、平成20年末までの返還対象者は4,179人ということである。
ここで質問に移るわけであるが、この4,179人にうち、滞納している人は何人で、平成20年度の収入未済額、いわゆる滞納額は幾らになっているのか教えていただきたいと思う。
○(高見高校教育課長) 高等学校奨学資金返還金にかかわる平成20年度末時点の滞納者数は819人である。その収入未済額は9,517万6,100円である。
○(竹内英明 委員) ありがとうございます。とすると、計算したら4,179人の819人ということで、19.6%ぐらいの人が滞納している。これ金額ベースに直して計算をすると、平成20年度の返還予定額というのは3億円余り、そのところ現実に先ほど答弁があった9,500万円といったようなことが滞納しているということで、返還率というのは68.6%、未返還率にすると31.4%というふうになるわけであるが、過去5年にわたって資料を調べさせていただいたならば、平成16年度決算、これは返還率の推移であるが、平成16年度85.9%あったのが、83.6、76.8、69.6、68.6と、このようにだんだんと下がってきている。これは過年度分も加わる、こういう事情もあるのかと思うが、私は滞納者が819人もいると、このうち全員が何か理由がある、お金がないということか、そうはならない、この中には払えるのに払わない人も少なからずいるのではないかなというふうに思うわけである。
こういった滞納者に対して、どういった対策を兵庫県ではとってるのか、教えていただきたいと思う。
○(高見高校教育課長) 返還金の収入促進については、学校とも連携を図りながら、本奨学金は貸付金であり、返還金が後輩のための奨学金として活用されることなどの貸与制度の趣旨及び返還の重要性について周知徹底を図るとともに、滞納者に対しては、文書や電話による連絡、督促及び催告を行うなど、全力で取り組んでいるところである。
また、金融機関での融資回収に関する実務経験を有する者を返還事務専門員として任用して、家庭訪問も行いながら、その経験を活用した返還指導を行っているところである。
さらに、従来、納付書による銀行窓口納付であったが、これを口座振替による返還を実施をして、返還者の利便性を図っているほか、何らかの事情で返還が困難になっている者に対しては、返還猶予の制度を活用するなどの返還指導に努めているところである。
平成20年度末の収入未済額のうち、9月末時点でおよそ276万円を収納しているところであるが、今後は、これまでの取り組みがより効果的、効率的なものとなるよう検討するとともに、滞納者の状況に応じたよりきめ細かな指導を行いながら、引き続き収入促進に努めていきたいと考えている。
○(竹内英明 委員) 大阪での対策というのも参考になると思うし、本県の場合、まだ現在のところ、滞納が始まって5年以内ということで、不納欠損は発生してないようであるが、悪質な場合、連帯保証人に弁済を求める、そういったことをして不納欠損とならないように県民の財産というものをしっかり守っていただきたいというふうに思う。
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(2)社団法人兵庫県高等学校教育振興会への事務委託と適切な会計処理について |
続いて、社団法人兵庫県高等学校教育振興会への事務委託と適切な会計処理についてお伺いする。社団法人兵庫県高等学校教育振興会は、県立高校の校長とそのPTA会長が役員・正会員のほぼ全員という県教育委員会が設立した社団法人である。県が出資をして設立した法人ではなくて、個人が設立母体で、県の定義する密接公社等でもない。
県は先ほどの奨学金事業を平成19年度からこの社団法人に委託をしているわけである。そこで平成19年度には約7億円、平成20年度には約13億円、計20億円を同法人に補助金として支出し、同法人は奨学金貸与事業を実施している。この社団法人の定款では「財産目録及び事業報告については兵庫県教育委員会に報告しなければならない。」、このようにしているので、財産目録を見せていただいたが、平成20年度末でこの約20億円の県からの資金について、資産――債権、この欄への記載がなかった。そして総会で議決したという貸借対照表にもこの20億円の記載がない。
これは県にとっては、奨学金の貸付原資として同法人に貸し付けた性格の資金であり、事業の委託が終了するなどした場合に、県に引き揚げなければならない資金である。同法人には一たん現金で支出され、同法人から奨学金として学生に貸与されると、これは同法人にとっては貸付金という資産に変わるわけであるから、この資産を計上しなければならない。この奨学金というものが県から贈与されたものであれば別であるが、これは贈与されたものではないから、貸借対照表上は、資産化と同時に負債としても計上すべきものである。念のため税理士事務所に確認をしたら、「提出された貸借対照表は法人全体のものではないのではないか。奨学資金として学生に貸与した資金は、貸付金として法人の貸借対照表に計上すべきだ。」このような回答があった。
こうした資金については、貸付金として預託するほか、他府県の事例等では、基金造成のために出資金として運用される例もあるようであるが、同法人が個人を主体とした社団法人であること、また、本県と同法人に資本や出資関係が全くないこと、このようなことから、資金は貸付金として支出すべきだというふうに私は考える。また、奨学金事業に係る事務費というものが発生するとするならば、年度ごとに委託料として支出すればいいのではないかと思うわけである。
県の補助金支出部局に提出された補助金の実績報告書には、20年度単年度の収支が明記されていたが、これは補助金の支出がなくなると、過年度分の記載もないことから、私どもが審査をする予算書や決算書に全く20億円が記載されないこととなり、今回のような県議会のチェックも働かないことになるわけである。また、補助金の支給とは別のチェック制度も働いていない、つまり社団法人の認可団体として県のチェック、これは財産目録とか貸借対照表、これは県に提出されているが、教育委員会と違う部署でそうであるが、この20億円の記載がなかったようであるが、気づいておられなかった。
実は、私がその書類を見てもこれはわからない。なぜならば疑ってみるというものではなくて、本来記載されて当然のことだけに、さすがにチェックができない、こういうことだと思うが、実は同法人に対する補助、21年度に約19億円発生予定であるから、これを含めれば、先ほどの20億円と合わせて約39億円、今後の補助も含めると約50億円を超えてくるだろう。そして、この返還が始まれば、返還された金額を再び貸付の原本に加えて運用を任せていくことになるんだろうと思うが、今後、例えば先ほど質問した滞納であるとか、不納欠損が発生したとしても、貸付原資が減ったとしても、私たちのこの議会の予算書なり決算書に反映されてないということになると、全くわからない、こういうようなことになりかねない。
例えば県本体がこれまで貸し付けていたということを外部のそうした社団法人に委託するということであれば、コストが下がる、また民間のノウハウで回収してもらえる、こういうメリットがなければならないというふうに思うが、実務を担う職員は3人、県負担給与のまま派遣しているということである。財務諸表にもこうしたものを反映させないということであれば、私はこのまま委託すべきではないというふうに思っている。
今後は、単年度の使途だけを明らかにするのではなくて、過年度分の状況や滞納、不納欠損等をあわせて知ることができるような形で決算や事業の収支報告等を求める、これを改善させる、そして少なくとも同法人が県から既に受けた20億円の資金については、私は、この法人の貸借対照表、財務諸表に明記させることが必要であるというふうに思う。これは県民の資産である、改善を求めるが、すぐに実行していただきたいと思うがどうか。
○(高見高校教育課長) 高等学校奨学資金貸与事業については、平成17年度に本県に移管された日本学生支援機構奨学金を統合・一元化したことに伴って、貸与者数、返還者数が大幅に増加する中で、さらに柔軟な業務執行体制による奨学生の利便性の向上や、教育振興会会員である学校・保護者との連携、民間でのノウハウを生かした返還金回収の促進等を図るために、平成19年度から高等学校教育の振興を目的とする公益法人である社団法人兵庫県高等学校教育振興会への移管を行ったところである。
委員ご指摘の当該補助金に係る会計処理については、確かに不備な点があるため、財務状況を明らかにするために、同会の貸借対照表、損益計算書、財産目録等について、組織的に管理した適正な財務諸表の作成を行うよう早急に指導するとともに、補助金の適切な執行と管理について、県教育委員会として指導を行っていきたいと思う。
○(竹内英明 委員) 今、課長がご答弁いただいたように、これ今は決算の段階では20億円であるが、いずれ50億円を超えて回転させることになるというものが、県の貸借対照表、県の場合は決算書にいろんな資産が掲載されているが、そこに掲載されてない、同法人にも掲載されていないということになれば、どこにもない、存在しないお金で、だれもチェックしない、こういうことになりかねない。私はこれ、悪気を持ってやったんではなくて、恐らく複式簿記の考え方が浸透してなかったんであろうというふうに考えるわけであるから、そうした会計に詳しい人間等も含めて、我々が議会としてわかるような仕組みも含めて検討していただきたいというふうに思う。
ただ、1件だけ私は苦言を申し上げないといけないと思うのは、実はこの法人に県の教育委員会が事業を移管するに当たって、例えば内部でメリットとして柔軟な業務執行体制によるサービスの向上であるとか、事業運営の効率化とか、返還金回収率の向上による人件費の削減、こういう納得できる項目も列挙されていたが、返還金の回収強化について、悪意のある滞納者に対して、民事訴訟法に基づく手続を実施ということで、この法人に移管することによって、この民事訴訟の手続が簡単にできるようになる、その理由は括弧書きであったわけであるが、議会の議決が不要と、このように書いていた。これはまさにそのとおりであって、県が取り立てる、法の執行を申し立てるときは議決が必要だ、これはもうよく承知している。ただし、県営住宅等を見たら、それを専決処分にしてまとめて報告をする、確かに議会の人はうるさいかもしれないが、そうした制度がきちんと担保されてるわけであるから、この場合はもう同法人に移管をしているが、こういうことは恐れずに、きちんと議会に対して議決を求めていただく、こういう姿勢で今後はやっていただきたいと思う。
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3 学校での「いじめ」が全国平均より低い現状について
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それで、次に移る。時間がそろそろ来ており、ちょっとまずいわけであるが、次は、学校でのいじめというものが全国平均より低い現状について、兵庫県教育委員会が、平成20年度の実績とか、点検・評価をされている資料を見ると、本県の1,000人当たりのいじめの認知件数というのが、平成18年度から、特に小学校と中学校で全国平均よりも著しく低い、例えば18年度であるが、兵庫県の小学校で年間1.95件のいじめがあったとなってるところを、全国では8.54件、中学校では本県が7.89件のところ、全国では14.87件、平成19年度も同じような形で、全国のいじめというのが、これ定義の変更によってふえたというふうに言われているが、本県はさほどふえなかったということで、全校との乖離が出ている。
私は、本県で本当にいじめが少ないというものであれば、これは大変すばらしいことだというふうに思うわけであるが、いじめがあるのに把握し切れてないのではないか、このような可能性があって、例えばネット上で学校裏サイトのような見えない場所というのもふえているし、この学校がいじめを把握するというものは簡単ではないわけであるが、この全国平均との乖離を例えば把握し切れてない可能性がある、このような前提できめ細かく対応する必要があると思うがいかがか。
○(溝口教育次長) 学校においては、委員ご指摘のように、いじめの定義が、いじめられた児童生徒の立場に立った実態把握が重要であるという趣旨で変更されたことを踏まえて、本人や保護者の申し出はもちろん、児童生徒が発する危険信号を見逃すことのないよう、生活ノートや日記等を活用したり、個別面談や家庭訪問を実施して、保護者とも連携しながらいじめの発見に努めているほか、アンケートを実施するなどして、定期的に児童生徒から状況を聞く機会を持ち、丁寧な実態把握に努めているところである。
ただ、ご指摘のように、いじめの対応については、早期発見、早期対応が何より重要であるが、いじめがひどくなることを恐れて大人に訴えようとしない場合や、周りの者も自分がいじめられることを恐れて周りの大人に告げようとしないような傾向もあって、大人には見えにくいとも言われている。また、近年増加しているネット上のいじめなど、学校生活の上では把握が困難な課題も出てきている。
そういうことから、県教育委員会としては、このような状況を踏まえ、スクールカウンセラーの配置、いじめ24時間ホットラインやネットいじめ情報相談窓口の設置など、相談体制の充実を図るとともに、豊かな人間関係をはぐくむ学校・学級づくりを通して、子ども自身が主役になっていじめの防止や解消に取り組む集団づくりを進めているところである。
○(竹内英明 委員) ありがとうございました。いじめというのは本当に根絶しないといけないと思っているので、対応をよろしくお願いする。
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H17年度 小・0.52(0.72) 中・4.45(3.82) 高・1.01(0.87) 特・0.55(0.73)
H18年度 小・1.95(8.54) 中・7.89(14.87) 高・1.56(3.74) 特・3.68(3.68)
H19年度 小・1.89(6.92) 中・6.42(12.64) 高・1.50(2.69) 特・3.93(3.25)
※( )内は全国平均 H18年度より「いじめ」の定義が変更された。「いじめ」とは「当該児童生徒が、一定の人間関係のある者から、心理的、物理的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているもの」とする。
(参考)1000人あたりの暴力行為の発生件数
H17年度 小・0.41(0.31) 中・8.67(7.70) 高・3.11(2.39)
H18年度 小・0.48(0.53) 中・9.10(8.87) 高・3.46(2.74)
H19年度 小・1.97(0.73) 中・15.21(10.7) 高・3.09(3.07)
H19年度から「暴力行為」の定義が厳しくなった。
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4.新型インフルエンザにかかる学級閉鎖等の学校名の公表について
5.高卒者の就職支援について
6.県立大学の姫路への本部移転について新行革プ
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通告をしていた新型インフルエンザに係る学級閉鎖等の学校名の公表、実は9月14日付で、公表するという方針に変わっているようであって、私はそのとおりやっていただきたいというふうに思っている。
それと、第5として、高卒者の就職支援、先ほど質問もあった、また、産業労働部でも質問があったので、これもしっかり重要なことであるので対応していただきたいと思う。
そして、最後に県立大学の姫路への本部移転については、昨日、五島先生の方から、私の名前を引き合いに出していただいて、非常にお褒めをいただいたわけであるので、後刻質問をされる五島先輩に任せて、私の時間の関係で、これ質問できないが、思いは同じであるから、私の質問だと思って、あわせて答弁いただきたいと思う。ありがとうございました。
○(杉尾良文 副委員長) 以上で竹内委員の質疑は終わりました。
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