Web版ひであき日記

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  鳥取県片山知事の自立塾へ入塾!!
2004年07月31日 (水)

box.gif 神戸新聞第一社会面に姫路市の合併についての記事。安富町がネスパル安富の建設財源にあてる予定だった基金(3400万円)を17の自治会に200万円ずつ配り、その額分の建設資金は起債(借金)にしたというもの。また、この3400万円とあわせ、起債のうち交付税等で措置されない4億円を超える借金が新姫路市に付け替えられることになるという。

姫路市では、近年ムダな公共事業や大型箱物施設の建設が相次いで中止になっている。それは、大型公共事業に対する高い住民意識があるからであり、その民意が選挙によって反映されてきたからである。また、前回の市長の選挙公約にも市民一人当たりの借金額(地方債+債務負担行為)が明示されるなど、市民の財政についての関心は高い。財源や将来への負担を抜きにして考えれば、空港や1万人ドームをつくっていれば、市民は便利になっていたはずだ。そんな中で、公共事業より財政をよくする道を選択したと思う。

現在、類似他都市と比べて比較的良好とされる財政は、そういった市民選択によるものであると言っても過言ではない。一方で、「施設の建設費のうち、交付税で措置されない起債部分は姫路市に面倒をみてもらうことは、前から言ってあるし、了承を得ている(予算書にも出ている)。今回の件は、合併特例債もあるし、(3400万円ぐらい)姫路市にとっては大した額でもないでしょう。町民1人あたり5000円ちょっとというが、個人に配分していない。それにこのふるさと創生基金(貯金)は旧安富町民のために竹下内閣のときにもらった1億円が原資。合併前に町民で使うのが筋でしょう」。こう語っているという。

誰でも考えられる意見だが、判断するのは姫路市。私の調査でも岡山県加茂町や石川の郡部の合併で似たような事例も見つけた。ただし、いくら何でも中核市姫路市を相手にこの施策はないだろう。こちらがその経緯を知って明らかにしていなかったのなら背任的な行為。こんな姑息な借金付け替え手法を姫路市を相手に行う自治体となぜ合併する必要があるのか。配られた分そっくりそのまま姫路市の借金になる。信義はない。

この施設の属する一般会計(自治体同士の財政を比較比較する場合、普通会計ベースで比較)の住民一人当たり地方債残高、債務負担行為額(隠れ債務)を比較すれば、姫路市より安富町の方が多い。安富町が裕福で、将来にわたっても自助で生き抜いていける都市で合併を強要されるなら、貯金の配分は認められるかもしれない。しかし、来年度から財政赤字に転落するというシュミレーションだったはず。額が少ないからといって大目に見るのも間違い。

私のところに市外の市議からも電話があった。神戸新聞のトップ記事だけに県下に知れわたったようだ。「姫路市は政令市を目指しているから、(基金取り崩しを)認めているのか?」とは最初の質問…。政令市とは何の関係もないことを説明すると、最後は、「天下の姫路市もたいしたことがないね」。極めて恥ずかしい思い。下駄の雪の実践をいつまでもやってもらっても困る。

別の話も聞こえてきている。市民の不利益情報に関して、今後、万一報道が先行するようなことがあればどうなるか。まず事務調整等の作業を一時中止させ、市議会合併問題特別委員会に全てを先に報告すべき。議会で姫路市の民意を把握し、態度を再確認しなければ、いま先に進むことは認められない。一部の関係者だけの了解で進む合併ではない。

車で播但連絡道、中国道、米子道を経由し2時間半。鳥取県米子市。駐車後、徒歩でJR米子駅。駅舎内の米吾。吾左衛門鯖寿司。取材対応など。その後、米子コンベンションセンター(通称BIGSHIP)。

「自立と再生をめざす鳥取自立塾」(塾長:片山善博鳥取県知事)に1泊2日で入塾。
http://www.pref.tottori.jp/kikakubu/jiritu/jiritsujyuku/ 

まず、塾長挨拶に感動。その後、分科会。講師陣も地方自治をリードする先進施策の実践者ばかり錚々たる面々。
第1分科会 土屋 正忠 東京都武蔵野市長「子育て・福祉」
第2分科会 石田 芳弘 愛知県犬山市長「教育」
第3分科会 福嶋 浩彦 千葉県我孫子市長「住民参加とコミュニティ」
第4分科会 穂坂 邦夫 埼玉県志木市長「地方自治」

これで参加料が千円。また感心。 私は、第一希望の穂坂邦夫さんの「地方自治」に参加。これまた感心。平成13年6月に市長に就任したばかりの1期目だが、全国でも有名な先進施策を次々にぶち上げ、かつ、それを実践している。中央官僚や代議士出身の若手首長はTV等で取り上げられて有名だが、「県職員→市議(議長)→県議(自民党県議団長)→市長」という経歴で、市長1期目から先進施策を断行中という変り種。実は職員や議員、議員秘書経歴のない首長で1期目から成果を上げている方は全国でもほとんでいない。有名なニセコ町の逢坂町長も町の財政課(係長)出身。長野県の田中知事も有名だが、賛否の分かれるところだろう。今回の講師を見ていると、首長に必要なものとは、「政策決定のプロセスや基本的な法令・先進施策の知識、加えて向上心や情熱があり、頭がいいこと」かな。これは選挙の強い人とも言える。しかし、具体的な話も感心の連続。

その後、パネルディスカッションアドバイザー、韓国政府革新地方分権委員会委員 姜再鎬(カン・ジェホ)氏の特別講演。「韓国における自立と地方分権について」。この方も、極めて頭がいい。政治的なブレもない。また感心。

初日終了。実は、ネットではホテルが満室で、片山知事の話を聞いてみたいという思いから、宿がとれないまま鳥取に来た。今日は、鳥取県で高校総体が開催中という(某旅館には歓迎網干高校の文字も)。また米子最大の夏祭り「米子がいな祭」(万灯の披露・行列など。万灯は秋田の竿燈に由来。”がいな”とは大きいの意)の開催日。まんが喫茶や車中での仮眠を覚悟して行ったのだが、運良く駅前の米子ユニバーサルホテルに空室あり。宿泊。夕食は、かき船。岩がきなど。美味。

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